ダイヤモンドの原石のような、確かな才能を感じました。安定した文章力、丁寧な描写、アクションシーンの魅せ方、ブレない設定、冗長さを排除した構成。どれを取ってもレベルが高いです。中でも秀逸だと思ったのはキャラクターの配置の仕方です。誰が敵で誰が味方か、ミステリアスな展開がキャラクターへの興味を引き、相乗効果的に、先を読みたいという気持ちを大きくしてくれていました。
ライトノベルとしての質はかなり高いです。良い編集者が付けば、すぐにでもデビューしてやっていける力があると思います。
神島大和さんは、書き続ければいずれプロになれるでしょう。それだけの才能があります。
そう断言できるのは、伸び代を残しながらも、熟練になっても気付けるかどうか、というポイントを既にしっかりと押さえているからです。そして何より、「伝えたいもの」が込められている。だからこそ、心に響く。これが才能ではなくて何だと言うのでしょうか。
今後の期待も込めて最高評価を出したいところですが、それではいけないと思うのです。きっと、いや、必ず、神島大和さんはすぐに成長します。そして、私のレビューを読み返して、こう思うことでしょう。「わかっていて情けを掛けたのかよ、ふざけるなよ!」と。なので、厳しいようですが、この評価とさせていただきました。
私はカクヨムに二種類の作品を期待していました。一方は「そんじょそこらのプロよりおもしろい作品」で、もう一方は「プロになるまでの成長過程を見届けられる作品」です。
皆さんも、歴史の目撃者になってみませんか?
(第一章まで読了してのレビュー)
普通の男子学生、萌え要素の高いヒロイン達、凶悪な敵、海上都市……。ベースにはライトノベルの王道が敷き詰められ、安定感を持って楽しめます。
世界観や設定に独創性があり、緻密に設定を練られてきたのかなと思います。
ただ三人称視点小説であるのに、時々主人公ユウトの一人称的視点が混ざっているように感じていたので、そこだけが少し曖昧でした。
誰かの役に立ちたい、助けたいと思うユウトのキャラクター性には好感が持てますけどね。
各章ごとにお話がキレイにまとまっておりオチも爽やかなので、秀逸な設定やストーリー展開を分かりやすく出せていけるようになれば、更に面白くなると思います。