夏の日差しを透しつつ流れる清流。その底にて遊ぶ子蟹と、見守る母蟹。そこへ川砂を巻き上げてあらわる巨大な「侵入者」。その意図は、その行く末は――。緻密で美しい描写が、ささやかな一瞬を深い物語として描き上げた、夏の一幕。
悠久の時とともに川は流れている。 緑と青の底に、多くの生と死が泳いでいるのだ。 自然は未知と既知の宝庫である——・ 優れた作品は、前段すらも圧倒させられるものなのか。 豊富な表現力によって「風景の動き」が見える。 善悪を取り込む壮大な蓄積は、読む者を圧倒する。 起こったこの物語も、川を構成する一滴となるのだろうと、物思いに耽ってしまう一作だった。
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