概要
潮が満ちる前に、二十一年目の噓を暴け。
一年でもっとも潮が引く朝、有明海の干潟の中央に、再開発会社社長・堂島亮介の遺体が立っていた。腰まで泥に沈み、右手には小さな白骨の腕――二十一年前に失踪した、蓮見澪のものだった。
姉の骨を見て崩れ落ちたのは、地元県警の刑事・蓮見志乃。だが彼女は姉を愛していたわけではない。志乃が警察官になったのは、姉殺しで服役し獄中自殺した父の無実を証明するためではなく、父が本当に有罪だったと、自分の手で確定させるためだった。
捜査に呼ばれたのは、元海上保安庁の調査官・九条湊。潮流の記録を書き換え、部下を死なせた過去を持つ男は、遺体の周囲に残された「足跡」を一目見て言う。
「これは、歩いた跡じゃない」
姉の骨を見て崩れ落ちたのは、地元県警の刑事・蓮見志乃。だが彼女は姉を愛していたわけではない。志乃が警察官になったのは、姉殺しで服役し獄中自殺した父の無実を証明するためではなく、父が本当に有罪だったと、自分の手で確定させるためだった。
捜査に呼ばれたのは、元海上保安庁の調査官・九条湊。潮流の記録を書き換え、部下を死なせた過去を持つ男は、遺体の周囲に残された「足跡」を一目見て言う。
「これは、歩いた跡じゃない」
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