概要
西洋医学が「異常なし」と呼ぶ場所に、漢方は「証」を見る。
検査では「異常なし」。それでも、確かに苦しい人がいる。
中堅の漢方医である「私」は、西洋医学の検査をすり抜けていく症状を、脈と腹と、患者の言葉から診ていく。研修医の桐山は、その見立てのたびに問いを重ね、読者と同じ場所から漢方の考え方を学んでいく。
一話につき、一つの処方。一つの症例。
西洋医学が「異常なし」と呼ぶ場所に、漢方は「証」を見る——その手つきを、静かに描く連作短編です。
中堅の漢方医である「私」は、西洋医学の検査をすり抜けていく症状を、脈と腹と、患者の言葉から診ていく。研修医の桐山は、その見立てのたびに問いを重ね、読者と同じ場所から漢方の考え方を学んでいく。
一話につき、一つの処方。一つの症例。
西洋医学が「異常なし」と呼ぶ場所に、漢方は「証」を見る——その手つきを、静かに描く連作短編です。
物語を読んでくださり、ありがとうございます。これからも心に残る一話をお届けします。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「異常なし」の壁の外に立つ人を、脈と腹で診る漢方外来
第1話から第5話までを拝読しました。五つの科で「異常なし」と言われ続けた女性の脈を、水に浮かんだそうめんに喩え、検査の数字に「燃料計」は入っていないと研修医の桐山に説く第1話で、この連作の立ち位置がはっきり伝わってきました。砲丸投げの中学生の体格と脈の不一致をそれ自体が所見だと読む第2話、加齢性難聴という名前のついた壁を扱う第3話と、毎話壁の種類を変えているのが巧みだと思います。第4話で「どうせ俺は」と言わなくなった兄や、第5話で四分の一の量で膿が出た弟のように、処方の効き方より人の変化で結末を語るところが好きで、続きの処方も楽しみです。