概要
ねえ あなたも、ひとりなの?
古びた市立白鷺病院の旧東病棟――そこでは深夜、女子トイレの個室から「子供が覗いてくる」という怪異が囁かれていた。夜勤看護師たちは次々と精神を病み、ついには錯乱者まで現れる。調査を依頼された霊能力者・間宮響子は、封鎖された最奥のトイレで、三十年前に失踪した少女“真壁ユリ”の存在を知る。少女は「便器の中に母親がいる」と語った後、異常な形で便器内部から発見されたのだった。響子が霊視を行うと、便器の奥には人々の孤独や絶望が凝り固まった“巨大な口”が潜んでいた。そこは、虐待、孤独、自殺願望など、人間の負の感情が沈殿する深淵だった。やがて響子自身の幼少期の傷まで暴かれ、怪異は彼女を“穴の底”へ引きずり込もうとする。病院のトイレに潜むものは霊ではない。人間の心の闇そのものだった。
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