5:00 AMの悪夢

@5-00_AM

1話完結


幼いころから寝ている時に見ている夢があります。



会話やテレビでたまに耳にするため、そういう夢を持っている方は意外と多いんだと思います。



そして、自分のみる夢はというと、

女の人に追いかけられる夢です。


ここまでは、ありがちな夢なんですが、この夢は割と鮮明で、追われる原因も自分であることがはっきりしています。




なぜなら、この夢は自分がその女の人をナイフで刺すところから始まるからです。




この夢を見るのは、決まって起きる直前の明け方です。不思議なのは、「また、この夢か...」と、刺す前になって自分が夢を見ているのだと気がつくことです。





...ここからは夢の内容です。


その女は、白い服装で、黒髪の長髪という見た目をしています。まさに心霊写真に写っているような見た目なんです。



夢の場所は決まっており、線路が通っていること、田んぼが並んでいる景色からは、自分の住んでいた土地にとても似ています。

例えば、最近でいうと、都市伝説の「きさらぎ駅」で語られる風景と同じようなイメージでしょうか。




夢の始まりは、子供どうしで集まって鬼ごっこを行うシーンです。

実際には、そのような鬼ごっこをしたことはないのですが...



範囲は、線路沿いや田んぼを挟んだ道路、雑草の生えた道などが逃げ場となっていて、

山に囲まれた盆地の広い土地が逃げられる領域なんですかね。

自分も含めて子供たちはなんとなくそのような感覚でやっていると思います。



そして、鬼ごっこが始まると子供たちは鬼を決めず、一斉に散らばっていくんです。


おそらく、逃げながら鬼が決まるといったニュアンスなのか、もしくは私自身が鬼なのかもしれません。



少しすると、自分の中で誰が鬼なのかを考えはじめます。





その時に、線路の向こう側にいる女を見つけてしまうんです...



背が高めで白い服に黒い髪が垂れており、反対を向いてひとり立っているんです。


その異質な雰囲気は、いつ見ても気味が悪いと感じます。




自分は、なぜかナイフを手に持っていて、気づかれないようにその女に近づいていきます。

ガサガサと音を立ててしまうんですが、風のせいか、意外と気付かない感じなんです。




そして自分は、次の展開を知りつつも、小高いところから、女の後頭部めがけて勢いよくナイフを振り下ろすんです。



するとその瞬間、リアルな鈍い感触とともに、怒りのこもったうめき声が周囲に響き渡ります。

すぐに女と目が合って、その時はもう、ただただ恐怖だけでいっぱいになります。


自分が走り出すのを確認した女は、かなり怖い様子で刺されたナイフを構えて追いかけてくるんです。


捕まったらどうなるかを考えながら、自分は必死に逃げたり、隠れたりを繰り返します。



しかし、どれだけ逃げても、子供なこともあり、逃げ切れる気がしません。


それどころか、自分が捕まるまで終わらないんだと察してしまいます....



周りの子たちも必死に逃げているんですが、見ている暇もなく、自分がいつ見つかるかわからない状況が続いてしまいます。


そして、必ず見つかるときが来るのだと想像してしまいます。



...でも、その考えがぼんやりと浮かんだところで、目を覚ますことになるんです。そして、時計を見てこう思うんです。自分は目を開けられてよかった。と。



そういう日は、決まっていつもより早く起きることになります。

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