概要
一方、信兼の子ら――兼衡《かねひら》、信衡《のぶひら》、兼時《かねとき》は、叛乱軍に加わらず、京において義経の下についていた。
義経に頼朝からの書状が届く。
信兼を捕えよ、と――。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!その最適解には人の血が通っていなかった
源義経。
日本史に残る戦術的軍事行動の天才。
多くの方が、そう評します。
本作は源氏に対して叛乱した後、伊勢に潜伏した大掾信兼を討つ義経のを描く物語です。
源義経の持つ、軍事的目的を的確に選定する卓越した戦術眼。
併せて、自身の行動が他者からどう見做されるかの認識の無さが描かれています。
義経の行く末を知る読者は、かの天才がなぜあんな憂き目にあったのか。
その理由の一端を知ることとなるでしょう
歴史物とは、すなわち事物や人物の解釈の物語であり、無数の要素の絞り込まれた物語でもある。
そのことを本作は示してくれています。
本作が描くのは、長久な歴史の一幕。ほんのひとときの場面です。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!情は無用。義経が「三日」で証明した、源氏最強の"冷たすぎる"天才軍師。
源平合戦の影で起きた「三日平氏の乱」は、源氏の命運を左右する危機でした。
兄・頼朝の焦りをよそに、京の守護・源義経がとった行動は、あまりに冷酷で、そして天才的です。
義経は、反乱の首謀者である大掾信兼を討つため、味方であったその息子たちの首を晒すという非情な手段を選択します。「勝利」のためなら情や馴れ合いを切り捨てる彼の決断力と、それをわずか三日で完遂する恐るべき実行力は圧巻です。それゆえに危険視されてしまう...。
歴史上の英雄像ではない、目的達成のためなら手段を選ばない冷徹な武将としての義経の真の姿がここに。知略とスピードで危機を覆した、戦国史の裏側の緊張感を、ぜひこの短い物語で体感…続きを読む - ★★★ Excellent!!!🧠🔥源義経が三日で乱を鎮めた冷徹な決断を描く、衝撃の歴史短編⚔️📜
英雄の決断は、時に冷酷である――💥🕊️
『義経、三日で覆す ~三日平氏の乱~』は、源平合戦の中でもあまり語られることのない「三日平氏の乱」を題材に、源義経の知略と冷徹な決断を描いた歴史短編です📖✨
この短編の最大の見どころは、義経がこの難題をわずか三日でどう解決したのかという「プロセス」にあります⏱️📜
四谷軒先生は、たった1000字で背景・人物・決断・結果を描き切り、読者に「英雄とは何か」「冷酷さと有能さは紙一重」という問いを突きつけます📚⚔️
こんなことをしていたら、義経の最期も納得してしまう……😱🩸
源義経が三日で乱を鎮めた衝撃の歴史短編を、ぜひ味わってください🧠🔥 - ★★★ Excellent!!!義経「ん? 何でもするって言ったよね?」
教科書に書かれている歴史上の出来事は、多くの場合「結果」を示すだけで、「なぜ」や「どうして」は教えてくれません。そして、あまりメジャーでない出来事の場合は、「どうやって」も。
本作は、歴史の教科書でもなかなか取り上げてくれない、源平合戦のある出来事を描いた短編です。
きっかり千字で、出来事の背景や登場人物を紹介し、出来事の顛末を描き切ったというのがまず見事ですが、最大の見どころは「どうやって」この出来事――源氏の窮地――を乗り切ったのかについて。
史実が伝えるとおりの「結果」に至る「どうやって」を、短く、しかし衝撃的に描き切るその手腕は、さすが四谷氏です。
「一分で読める創作小…続きを読む - ★★★ Excellent!!!たった1000字なのにこの充実感!
重厚な歴史ものに定評のある四谷軒さんの最新作は、なんと流行りの1分小説でした。1000字ジャスト。
題材は源義経が伊勢に潜伏する平氏の残党、大掾(だいじょう)信兼を打つ、「三日平氏の乱」と言われるお話です。頼朝に討伐を命じられたとき、義経は、今は自分の旗下にいる信兼の3人の息子を呼び出しますが。。
さすがに1000字で沢山のシーンを語ると、ダイジェスト版みたいな感じになるかと思いましたが、中身は大変充実していて驚きました。
義経の冷血漢ぶりが際立ったラストで、その有能さに驚くとともに、「こんなことやってたらロクな死に方しないんじゃ。。」と行く末が不安になりました。
だけど、これ…続きを読む