概要
恋と罪、執着と赦しが溶け合う、静かな恐怖の短編
雨の夕暮れに渋滞に巻き込まれた私たち。助手席の私は、過去の記憶と現在を交錯させながら「あなたは何も悪くない」と繰り返す。臨時ニュース、横断歩道で泣く子供、警官のノックが、停滞した車内を異様な空間へと変えていく。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!本当に怖いものは何なのかそれを知る。
初手から、情景描写の中にさえ圧迫感を
感じる心理的ホラーであるが、
これはヒトコワではなく本当に怖いものが
息を潜めて紛れ込んでいる。
その構成の巧みさに唸るのは…多分、
読み終わったあとではないだろうか。
傲慢で独善的な恋人との息が詰まる様な
日々を耐える女性。誰もがきっと彼女に
同情するだろう。
勿論、それはいい。彼女は労られて然る
女性であって、これといった非がある
訳ではないのだ。
只、何故 執着 してしまったのか。
早々に逃げるか切り捨てるかすべき男に
情をかけてしまったのが、運の尽き。
多くは語るまい。
是非ともその目で事の顛末を知って
欲しいと思う…続きを読む