彼女の歌声に魅せられて


コンサート会場で美しいソプラノを披露する少女cとその歌声に心を奪われたA。ふたりの織り成す美しくも奇妙な物語です。

すっかり彼女のファンになったA。彼女のコンサートがあるたび頻繁に通うようになり、食事も共にする間柄に。

「遠出して海に行きませんか?」

彼女から誘われた初めての旅行。驚きを隠せないA。でも彼女とふたりで過ごせるのならと約束をします。

非日常の晩夏の扉、くぐりぬけた先の浜辺にふたり。
はるかな海に呼応する彼女の微笑。
音楽と詩と、水精と――これらが言葉を超えて混ざり合い、性のゆらぎが妖しさを孕むように惑わせます。

ふたりの向かう先が奇妙な符号で繋がれて、清流のせせらぎのような歌声が静かな海で引き寄せていく。幻想的な高揚感に導かれるふたりの行く末をご覧ください。

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