なんて臭逸な作品なんだ!

将棋界で『鬼の棲家』と称されるB級1組での大一番。勝てば名人戦に挑戦できる最高峰のA級棋士に昇格できる負けられない一戦が本作の舞台です。
最終盤――熾烈を極める盤上。初の女性棋士で初のA級昇格がかかる澤出七段の様子が何だかおかしい。対するのは、オオ……ナラ七段も下半身に何かを抱えているのか。生理現象とはいえ、耐え難い難局に挑んでいて何やら忙しそう。コレはスメルハラスメントに当たらないのか?
記録係さんもジワるスメルにダメージを隠せないのか、想定外のスメハラに秒読みの響きがおかしくなっていく。
盤外では異種、否――異臭格闘技戦を見ているような手に背に汗握る展開にネット民も騒ぎ出す。そして、相手のスメルで思考が妨げられ、ついに悪手を指してしまう。
これが神の授けた悪手、いや悪臭なのか?
このまま臭いに耐えきれずに臭了してしまうのでしょうか?
棋士の方々はこんな過酷な環境でその身をすり減らし、己の精神の限界まで追い詰め日々の対局をこなしていたとは……
メディアでは一切報道されない将棋界の裏側。ここでしか読めない価値があります。
お疲れ様です、もとい――ご臭傷様です。

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