白百合に捧ぐレクイエム

侯爵令嬢ラヴィエナは、美貌と才知に恵まれ、学院で“白百合の君”と称えられる憧れの存在。
しかし彼女は王家に仕える祓魔師一族の末裔でもあり、夜は学院に巣食う魔を祓う最強の祓魔師として、人知れず仲間と共に難事件に挑む日々を送っていた。

昼は高嶺の花の完璧淑女、夜は魔を討つ騎士――二つの仮面を使い分けるラヴィエナだが、その裏の素顔はおしゃべり好きでちょっぴり天然な普通の少女であり、公には素顔を明かせないギャップに、密かに苦しんでいた。

また、幼い頃より、稀代の天才と謳われる王太子アレクシスに恋心を抱いていたラヴィエナ。しかし王国に古くから伝わる「魔に触れる者と王族の結婚は許されない」という厳しい掟には逆らえず、アレクシスへの想いは封印し、祓魔師として陰ながら彼を支える決意を固めていた。そんな中…続きを読む