概要
一人で蝉を採りながら、考えるのは、母のこと。
犀川 よう様自主企画参加作品
【新作のみ】第二回 さいかわ葉月賞 テーマは「夏」
https://kakuyomu.jp/user_events/16818792437650765908
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!『生きる』ということ
このお話の中では、蝉の生と入院中のお母さんの生、そして戦争を知る世代のひいおばあちゃんの生、もちろん主人公の有輝くんの生も描かれている。
様々な生がお話の中で息をし、触れ合い、交差していく。
各登場人物の具体的な心理の描写は、それほど多くない。
主人公の有輝くんの心持ちですら、時々しか語られない。
しかし、その素っ気なさがたまらない。
作者は主人公の気持ちやお母さん、時にはひいおばあちゃんの気持ちになって書き進めていたのではないか。
本当はもっと心の動きを書きたかったのではないか。
それをあえて最小限の状況描写などに収め、ストーリーを紡いでいったと、私は想像した。
つまり、素晴らしい手腕…続きを読む - ★★★ Excellent!!!夏である今だからこそ、決して今作を見逃して欲しくないです( ;∀;)
まず、一言、「すごい!」。
とても深みのある小説でした、実直で朴訥、外連味の無い誠実な筆致で、思わず唸らせる世界をしっかりと獲得している傑作です!!
最初に僕はこちらの小説のコピー、【「生きてるぞー!」って、叫んでるみたいよね】という言葉が、すごく心に残りました。読んだ瞬間、心に楔を打ち込む様な、そんなとても力強い言葉だと思いました。
さて、この夏は、世間を戦後80年と言う「言葉」が席巻しています。
あっ、断っておきますが、今作は戦争の話ではないです(笑)。ここに書かれているのは、夏休みに自由研究で蝉の生態と観察を行う、小学四年生の男の子の話です。
何故、戦争の話を書いたかと言うと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ぶわーってなる
これはまた、なんだかすごいの読んじゃった感……
読了後すぐの感想なので、纏まりませんが。
最初はね、普通に読んでたんです。
ああ、セミの話なんだね、って。(違)
んで、だんだんと怪しい展開になって(なってない)なんだこれはどうなるんだ?ってなりながら読んで。
そしたらもう、読み進めながら感情がぶわーってなって、うああああ!って。
そういう話なんだぁぁぁ!!
って思った時にはもう、泣きそうになってました。
ええ、泣きます。
そこだけは合ってるはずです。
こんなレビューじゃわからないでしょ?
是非、読んでいただきたいです。
そして
「あ、意味わかった……」
って言われたいです。
非常に素…続きを読む