概要
あなたは気がついたら川の中にいて、腰まで浸かっていました。
深い霧で何も見えません。しかも、記憶まで失っています。
そんななか、霧の向こうから女性の声が聞こえてきます。
「こっちだよ」
そう言って導いてくれます。
彼女は声を自在に操れるようで、時には耳元でささやいてくることもあります。
彼女には過去の世界を創り出すことができ、あなたに過去を追体験させることで記憶を取り戻す手伝いをしてくれます。
過去の追体験によると、彼女はあなたの恋人でした。
とてもラブラブで、季節ごとに楽しいデートを経験します。
すべての記憶を取り戻したとき、ここがどこで、なぜここにいるのか、霧が晴れたようにすべてわかるでしょう。
彼女のささやき声や環境音
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- ★★★ Excellent!!!優しいささやき声が導く真実とは……
彼女の声が、記憶を失ったあなたにささやきかけます。
「こっちだよ」
彼女の声が導くのは、二人の思い出。春夏秋、そして冬。恋人として過ごした、甘く楽しい時間。
お互いに大好きで、仲の良い恋人だったことが思い出からうかがえます。
でも……。
G’sこえけんの応募作品なので、小説を読んでいるというよりは、まるですぐそばで彼女がささやいているような気分になります。
彼女の声。優しくて、でもどこか切なくて、聞いていると胸がくすぐったくなるようなそんな声なのかなぁ、と私はイメージしました。
控えめながらも、付き合っていくうちに積極的なところも見せた彼女。
そんな彼女が導いた先にあったものは、作品のタ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!切なさと優しさと……
台本形式の作品です。
そういうのを読みなれていない読者の方も多いかもしれませんが、文章がしっかりしている作者さんなので、読みづらいといったようなことはないかと思います。
そして、ストーリーですが――。
主人公は記憶を失っており、気がついたら川のなかにいて、腰まで浸かっているようです。しかも、深い霧のせいで、なにも見えない。
ただし、その霧の向こう側から声が聞こえてくる。この声の主に誘導され、歩きはじめる主人公。
主人公が思い出せない記憶とはなんなのか?
主人公に語りかけてくる声の主は誰なのか?
それらすべてがわかるとき、切なくも優しいラストが待っています。
これ以上…続きを読む - ★★★ Excellent!!!春、夏、秋、幸せだった季節たち。もう手の届かない「もう一つの冬」
最後まで読み終えたあと、切ない感じが胸の中に深く突き刺さります。
主人公は、気が付くと川の前にいる。そこには恋人だった少女がいる。
どうして自分がそこにいるのか。彼女との関係はどうなっていたか。
思い出せるようにと、少女はこれまでに何があったのかと過去の光景を見せてくる。
春、夏、秋、冬。それぞれの季節で何があったか。
交際を始め、夏には川で水遊びをし、秋には紅葉を見ながらハイキング。
幸せな時間が続く。恋人と一緒に過ごす時間の幸せさがストレートに伝わってきます。
そんな二人の身に一体何が起こったのか。最後の季節まで読み解く中で、「真実」が見えてくることに。
彼…続きを読む