芥Ⅳ 　ー レッド エレファント編 ー

　カクヨム文芸部門のカルトヒーロー、青山翠雲氏の最新作、芥シリーズ４作目です。

　今回もぶっ放してくれますよー。関税問題と米不足を払拭するために、とある部位から発射するトロロ砲。モラル的にはあれですが、敵モビルスーツの下半身にかけてしまい、それが翠雲氏を窮地に陥れます。しっかりしろ！　翠雲！　ちょっと考えればわかるだろ！

　ええとですね。作者の翠雲氏は、文章力が確かで、構成も見事、キャラの設定も魅力的なんですが、なんでかダジャレとアッチが大好き！　文芸に特化すれば素晴らしい作品を多数書きそうなのに、現に将棋シリーズはそうなのに、なんでこんなくだらないけど面白い作品に走ってしまうのか。才能…続きを読む

大人のエンターテインメント『芥』シリーズ、待望の4作目！
主人公の青山氏は今回も宇宙のゴタゴタに巻き込まれます。2025年の地球と似た出来事が、宇宙でも起こっていました。そう、米。

1話からフルスロットルで笑いとツッコミが止まりません。決して飲み物を飲みながら読まないで下さい。私は危うくコーヒーで溺れかけました。

白米と赤飯を巡る戦いでありながら、それを束の間（いやかなり長い間）忘れさせてくれるコビルスーツ乗りたちの戦い。そしてやっぱり決め手はトロロなんですよね。
摩訶不思議な物語展開に、私はついつい現代アートの匂いを嗅ぎ付けてしまう。
今回の『芥』も目が離せません。
最新の時事ネタと笑いどころ満載、笑いと知識欲を同時に満足させる、稀有なエンタメ小説。

「私はなにもかも分からないことだらけのまま、生きてきたのだわ。（重大なネタバレになるので省略）貴方のおかげで目が醒めたわ。ありがとう。これは私からの感謝の印よ。（やはり重大なネタバレになるので省略）」

この小説の魅力は、ある登場人物が主人公に告げるこの言葉に集約されていると思う。

今回の『芥』はほのぼのとした味わいがあり、しみじみと世界に感謝できた。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（459文字）