第100話『夏休み百物語(8/31)』
※
担任に言われ、夏休みのあいだ学校で暮らした。
使っていない用務員室。ソファとベッドと冷蔵庫、冷房とトイレとシャワー室があり。奥に、資料室があった。
私は、生活をほしょうされて、資料室の管理を任された。
担任と、担任が持ってきてくれるご飯を、一日三度も食べ。課題をすすめ、昼寝をし、夜にはきちんと長く眠る。
基本的には、用務員室を出ることは出来ない。資料室から、目を離せないからだ。
資料室からは、ときおり、うめき声が聞こえて扉を殴る音がする。
三日ほど、怖くて、逃げ出すことも考えたけれど。それ以降は、慣れてしまった。
担任は、毎日、部屋を訪れる。食事のとき、短く会話をするだけ。課題をしているときは、ぼろぼろの古い本を読んでいる。
変な生活をしているけれど、母親から連絡はなく。施設に入らず、ご飯を食べたいので。
私は、夏休みが終わるまで、ここで暮らしたいと思った。
少し、不安になりはじめ。八月に入ってから、担任に聞いた。
「心配をしないで、大丈夫ですよ。私は、夜、ここにはいられないので。とても、助かっていますから」
私は、ほっとして、どうしていられないのか聞いた。
「私は、とても寝起きが悪いんです。深夜、ものがたりが暴れてうるさいでしょう。私は、起こされてしまったら、すべて消してしまうでしょう。三年ほど、夏休み我慢をしてここに泊まり込んでいたのですが。とてもストレスで、あなたが代わりに居てくれること。感謝しかありません」
「ありがとう」と言われて、とても驚き。なぜか、顔がとても熱くなった。
「ひとが怖いと思う物語を、百集めるのには理由があります。怖い話を集めるということは、それだけで、とても強い力を持つんです。この学校は、生きていないものが集まりやすく、力をためやすい場所なんです。生きるものをおびやかすものを、百物語の力で定期的に封じる必要があるんです」
担任の言うことは、よく分からないけれど。たんたんと話しているのを聞くのは、好きだなと思った。
担任とふたり、毎日過ごした。夏休みが終わる日になり。
担任に誘われて、封鎖されている屋上に出た。
「夏休みのあとも、生活を気にすることはありませんよ。あなたさえよければ、私の家に来ませんか。私の仕事を少し手伝ってくれれば、ひとり暮らせるまで面倒を見ますよ」
担任に、とても驚くことを言われ。 なんと、花火をした。
私は、担任の表情のない横顔が、花火に照らされるのを見つめ。
いつもより、とても若く楽しそうに見え。同級生みたいだなと、顔がゆるんだ。
夏休み百物語 ~一分半で読めるみんなのこわいはなし~ アハハのおばけちゃん @obakechan2525
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