第2話
曹娟は
簡単に事情を話すと、まだ泣いている女性を座らせ「お茶を持ってきます」と彼女は一度館の中へ戻った。
陸議は女性が落ち着くように、そっと背を撫でてやった。
「……すみません、気が高ぶり突然泣いたりして……」
しばらくすると、女性が小さな声でそう言った。
陸議は首を振る。
「いいのです。貴方のことは以前もこの近くで見ましたが、何か悪しきことを考えてそこに潜んでいる感じはしませんでした。だから気になると曹娟殿とも話していたのです。
どうぞゆっくり落ち着いてから話してください。
曹娟殿は
あの方が身の回りのことを許されるのは、曹娟殿だけ。
けれど甄宓様はただいま、この宮を不在にしておられるのです」
「いつお帰りになりますか?」
それを聞いて、やはり必死な様子で彼女は言った。
「さぁそれは……」
曹娟が戻ってくる。
「お茶をどうぞ。
「ありがとうございます。曹娟殿の淹れるお茶はとても落ち着きますよ」
ゆっくりと、彼女の手に椀を持たせた。
彼女は一口飲んで、少しだけ息をついたようだった。
曹娟を見ると頷き、彼女も四阿の椅子に座り、しばらく待った。
「……奥方様にお話があるとのことでしたね」
十分頃合いを見て、
「ご存じとは思いますが、
今回も曹丕殿下が
殿下は多忙で、少しでも奥方様はその負担を少なくするためにお側にいらっしゃいます。
涼州遠征のことでお願いしたいことがあるとのことでしたが、涼州遠征のことは
女の声に、あの方がどれほど声を傾けられるかは分かりませんが、筋としては
貴方の話をもう少し詳しく聞かせてくれますか?
その話次第では私もお力になれるかもしれません。
しかし、理由もなく涼州遠征を留まるようなことは出来ないでしょう」
「……私の、大切な方が……涼州遠征に参戦なさるのです。
でも、とても今回は嫌な予感がいたしますの」
陸議と
恋人などがいるならば女は皆そう考えるだろう。
司馬懿を納得させるには理由が必要だが、これでは理由にはならない。
「……ではその方ともう一度お話しされたらどうでしょう。
個人でのことでしたら、行く行かないは、まだ許されるかもしれませんし」
曹娟が控えめにそう言ったが、女は首を強く振る。
「話しましたが、魏の国にとっても、自分にとても大切な任務だと言って留まって下さいませんの」
「それは……魏の兵としてはとても立派なことですね」
「立派……確かに、そうですね……あの方は本当に、いつも魏の国のことを考えていらっしゃいます。自分の命などどうでもいいくらいに」
陸議はふと、小首を傾げる。
「……その方のお名前は教えていただけますか?」
「……私がこのように出過ぎた真似をしたら、あの方に迷惑が掛かりますから、それは口には出来ません」
「
曹娟がそう言って
「弟君が……」
「はい」
「佳珠殿は司馬懿殿にもよくお会いになります。もちろん、国の一大事のことですから女は関わりなきものとお考えになるでしょうが、貴方がそれほど涼州遠征を恐れる理由を話して下されば、あくまでも私用の話として、佳珠殿ならば司馬懿殿にお話し出来るかもしれません」
「そ、そうなのですか」
彼女は今回の遠征の総大将が誰かは理解しているらしく、司馬懿と話せるという言葉に驚いた顔をして陸議を見た。
陸議は一応、唇だけ微笑んで小さく頷いた。
曹娟はそう言ったが、陸議は内心では話したところで司馬懿は絶対に涼州遠征を留まったりはしないことは分かっていた。
つまり個人的に、彼女が気がかりにしているその人物が今回の任務から外れるしかない。
「……わたしも、弟がたった一人の肉親です」
必死な様子の女性に嘘を言うのは心苦しかったが、なんとか聞き分けてもらわなければならないので、陸議は話した。
「出来ればすべての危険から遠ざけてあげたいと思っています。
私が男だったら、あの子の代わりに戦場に自分が立ちたいと望みました。
私自身がどうなろうと、彼だけはこの世で無事でいてほしいと」
……彼を守るために、勇敢になれたことが自分の誇りだった。
最初はそういう、小さなことのために自分は生きていて、
それが精一杯だったのだ。
それが今や陸家を離れ、孫呉を離れ、こんな北の地で――。
……誰も自分のことを知らない。
なんと遠くまで来たのだろうと時々立ち尽くす。
でも最初は、そんな小さな世界が私のすべてだった。
「……ずっとそう願って生きてきましたから」
今の言葉には、不思議と何か気持ちが籠もっているように感じたからだ。
それを感じたのは女性も同じだったようだ。
それまでずっと俯いていたが、初めてちゃんと顔を上げてくれた。
あまり顔を見る暇がなかったのだが、間近に見ると綺麗な女性だった。
整った顔で、凜としている。
なんとなくだが、身分の高い家の女性なのではないかと陸議は思った。
「……失礼ですが、貴方の大切な方とは一般兵のような方ではなく、もしや身分の高い方ですか?」
女が驚いたような顔を見せたので、安心させるように小さく笑んで、首を振る。
「いえ、夫婦は似ると言ったりしますので……貴方は村娘にはあまり見えません」
「……、」
女が少しだけ躊躇いを見せたのが分かった。
曹娟が声をかける。
「心配しないで下さい。ここでの話は私も、佳珠殿も他には漏らしたりはしません。
貴方の大切な方の名前を教えていただけますか?
力になれるなら、私たちもそうしたいと思っていますよ」
「……、……
曹娟は目を瞬かせた。
「
陸議はまだ郭嘉に会っていない。だが、もちろん従軍することは
曹操軍に十代で従軍し、その才能を曹操が愛したという若き天才だという。
陸議も呉軍に従軍していたがその名はあまり聞いたことがなく、何故だろうかと不思議だったのだが、話を聞いていると大変な重病になり命を脅かされるほどで、数年病床で動くことも出来なかったらしい。
丁度陸議が
重病と聞くと、どうしても陸議は
今は思い出すと、罪悪感で押し潰されそうになるのでなるべく思い出さないようにしていたが、命を失うほどの重病だったので、数年前から患っていたのではないかと思うのだ。
だがはっきりはしない。
孫策と周瑜は本当に無二の親友で、兄弟のような二人だった。
孫策にすら病を打ち明けなかった周瑜の気持ちを考える。
最初は心配させたくないからかと思ったが、違うような気もした。
孫策が同じ理由で病を周瑜に隠したら彼は怒るような気がしたからだ。
彼らは等しい存在だから、相手にされて嫌なことは自分もしないようになっていた。
(多分……孫策さまを)
まだ孫策が
一緒に戦いたいのを堪えて、周瑜は孫策のために兵集めに奔走したのだという。
孫策はその頃周瑜がしてくれたことに比べれば、俺の方は楽だったくらいだと笑っていたが…………袁術のことは、陸議も知っている。
話しているだけで憂鬱になる男だと、人を悪く言うことが滅多にない
袁術の許で望まない戦いをし、殺さないでもいい人間たちを大勢殺したことが、長く孫策を苦しめる原因になったことを周瑜は悔いていたのだ。
だからもう二度と孫策を一人で軍に残してそこで戦わせたくなかったのだろうと、陸議は周瑜が孫策に病のことを話さなかった理由は、そのくらいしか思いつかなかった。
病から復帰して初めての遠征で、従軍だという。
郭嘉は魏軍の優秀な軍師という顔以外にも、別の顔があった。
――つまり女性関係が非常に派手なのだという。
郭嘉の
そこまで考えて、曹娟は目の前の女を見た。
一瞬はまさかその一味が生真面目に抗議に来たのかとも思ったが、どう見てもそうではない気がした。
しかしそれを確かめねばならない。
郭嘉の身の危険を案じている女性がいるなどと
「あの……貴方はもしや郭嘉様の……」
郭嘉の恋人を吹聴する女はよくいるのであまり意味はない気がしたが一応聞いた。
しかし。
「いいえ。私は郭嘉様の
母が
それでも優しい方なので、よく声をかけていただきました。
病で療養に戻られた時には、私がお世話を」
ああ、とようやく理解した。
「そうでしたか、なるほど……ずっと寄り添っておられたのですね」
「はい……」
「まだ、名前を聞いていませんでした。聞いてもよろしいですか?」
「はい。
「そうですか……瑠璃殿。
郭嘉様は魏軍ではその才能ゆえに重んじられる立場……司馬懿殿も恐らく今回の従軍では重要な役目を任せておられると存じます。
聞いた手前に言うことではありませんが、司馬懿殿も郭嘉様も位で言えば軍の最高位も務められる方です。私たちの一存で、街に留められるような方ではないと思います」
「……はい。それはよく、分かっています……」
しかし陸議は従軍するにあたり、その陣容について司馬懿と話したことがあるが、郭嘉の存在が今回の従軍において最重要かというと、そうではないということを司馬懿自身から聞いた。
司馬懿は最初、郭嘉は連れて行かないつもりのようだったのだ。
というよりも、まだ病み上がりなのでそういう考えすらなかったらしい。
しかし
『そうでなければあの男が賈詡の副官になど収まるはずがない』
司馬懿がそう言っていた。
『まあ、涼州には色々とある……軍師としてはあの地の遠征に興味が湧くのは分からんでもないがな』
陸議は立ち上がった。
「曹娟殿、少しよろしいでしょうか?」
曹娟が頷いて立ち上がる。
二人は少し、館の方へ歩いて行った。
「佳珠殿はあの方をどう見ました?」
「偽りを言っているようには思えませんでした」
「はい……私もそれは、そう思います。けれど郭嘉様の身分は魏軍において最高位です。とても我々が手を出せる方ではありません」
「そのことなのですが……」
少し、陸議は声を潜めた。
「……実は司馬懿殿が、今回の涼州遠征には当初、郭嘉殿は伴われないおつもりだったと言っていました」
「そうなのですか?」
「はい。一番は、体調をやはり気になさってのことです。快癒されたとはいえ、遠征はまだ早いとお考えだったご様子。徐々にと思われていたのだと思います。
郭嘉殿は曹操殿が信頼なさった軍師ということで、遠慮も勿論あるのだと思いますが、司馬懿殿が強く望んで抜擢されたわけではないようでした」
「ではどなたが?」
「今回、司馬懿殿の許で全軍の指揮権を与えられる賈詡殿が、ご自分の補佐として望まれたとは聞きましたが、それはあくまでも郭嘉殿ご自身の強い意志がなければ決して叶わないことだと言っていました」
「郭嘉様ご自身が涼州遠征を強く望まれた?」
「はい。……司馬懿殿も少し不思議そうにしておられました」
「では、郭嘉様ご自身が出陣をお止めになれば、あまり今回は波立たないのでしょうか?」
「そうだとは思いますが出陣も迫っているので、早ければ早いほど離脱はいいかと」
「そうですか……司馬懿殿にお話ししてみますか?」
「……」
「……陸議さま?」
「あの女性の目を見ましたか?」
「目……ですか?」
「はい……。悲しみに泣いておられるようでしたが、怯えておられました」
「それは……大切な方が亡くなるかもしれないと思えば……」
「確かに、それはそうですね」
「何かをお感じになられますか?」
陸議は少し何かを考えていた。
女の格好をしていても、曹娟にはその横顔ははっきりと端正な男のものに見えた。
「……少し。大切な方を失うかもしれないと、必死になっておられるのは感じますが、ひどく怯えておられるのが気になります」
「もう少しお話を聞いて、陸議様が思うようになさったらよろしいかと思います。
「そうしてもよろしいですか?」
「はい。それが一番良いと思います」
分かりましたと二人は
戻ると瑠璃の姿が無かった。
しかし少し視線を振ると青い
「
瑠璃が振り返った。
「……話して下さってありがとうございます。
私は今回のことで、軍の総大将となられる
「本当にございますか?」
「はい。病み上がりでいらっしゃいますし、ご家族やそれに近い方、貴方のように病の間、病状を診ておられた方が助言をなさるなら、十分司馬懿殿は考慮下さると思います。
けれどこの従軍はそもそも郭嘉殿ご自身が強く望んでおられるので、それならばと起用されたとも聞いております」
瑠璃の顔がサッと曇った。
恐らく、それは知っていたのだろう。
「ですが、貴方は郭嘉殿の身を案じておられますが――怯えておられる」
瑠璃が驚いたように目を見開き、陸議の顔を見た。
「少しだけそれが妙に映りました。単に戦を不安に思うお気持ちや、関わりないことならば別に良いのですが、なにか……他にも特別、それほど怯えられる理由があるのなら」
「……。」
陸議と曹娟は静かにそこで待った。
瑠璃は何かを思い悩んでいたようだが、不意に風が吹いて、一面の
「美しいでございましょう? 奥方様が、戦や政務に多忙にされる曹丕殿下が少しでも心安らぐようにと、ここの庭の花は全て曹丕殿下のために植えられているのです」
「そうでしたか……」
「あの方が……郭嘉様が、ご快癒された日も庭先に竜胆が咲いていました。
ずっと数週間高熱を出されて魘されて……医者も、もう駄目だと言っていたのですが、あるとき熱が下がって……。
つきっきりで看病していた私がその場で寝てしまっていたので、私をそっと起こして、庭の竜胆が見たいから連れて行ってほしいなどとおっしゃられて。数年起き上がることも出来なかったのに……。
とても驚きました。
でも……嬉しかったのです。
初めて人生で、奇跡が起きたんだと思いましたわ。
ですから……竜胆は特別大事な思い出の花。好きなのです」
「そうですか」
少し癒えたように見えても、また危篤状態になったりして、不安定だったらしい。
それが五年も続いたのだ。
側で見守っていた者たちは、本当に気が休まらなかったのだと思う。
「……郭嘉様のご病気は、……名医でもあまりよく看ることが出来ませんでした。
珍しいご病気だったようなのです。私も詳しくないのですが……、でも少し良くなったと思ったらまた高熱が出たりして。どこが悪いのかが、あまり分からなかったのです。
不思議なことです。普通は心臓なり、臓なり、あそこまで状態が良くないならば必ず原因は分かるはずです。
でも、郭嘉様はあまり分かりませんでした。
心臓を痛がることもありましたけど、頭痛に苦しまれることもありましたし、体のいろんな場所に、発疹や痣のようなものが定期的に出ることがあったのです。
まるで……」
瑠璃は言葉を止めた。
言葉にすると現実になりそうで怖かったのだが、小さい声で告げる。
「…………まるで何か悪いものに取り憑かれているような…………」
風が吹いた。
陸議はその時、何かを感じた。
何か自分の中の、近しいものが一瞬蠢いたような気配だ。
「申し訳ありません。変なことを申しました。
でもそれくらい、ずっとずっと悪しき病状に苦しまれていたのです。
涼州は遠く、厳しい環境だと聞きます。
これから冬に入れば、凍えるようになるとも……
お願いします。どうか、今回だけは郭嘉様をお連れにならないで下さい。
まだ快癒してから、一度目の冬も越えていらっしゃらないのです。
……せめて今年は、ゆっくり冬の間は療養していただきたいのです。
そうすることが出来れば、あとは私はもう…………何も言いません。
あの方の才が戦場に呼ばれるのは仕方のないことです。
分かっているんです。
でもどうか、この涼州遠征だけはお願いします。
あの方をお止め下さい。
曹娟様、
頭を下げた瑠璃は肩が震えていた。
(……この人には何か予感があるのだ。この遠征で、郭嘉殿に会えるのが最後になるのではないかという強い予感が)
陸議は出陣していくその姿を見送った。
彼らを、見送ってきた。
陸議は目を閉じる。
(……
【
あれがもし、生きて穏やかに話せる最後だと知っていれば。
明日は生死を懸けて戦おうなどという言葉ではなく、自分も、何か別のことを言ってやりたかった……してやりたかったと強く後悔したのではなかったか。
この女性は多分、あの前夜の自分なのだ。
必死に戦うべきでは無いと、
自分は間違っていたのだと。
たった一人で。
陸議の胸に、目の前の女性への強い哀れみと、なんとかしてやりたいという想いが生まれた。
問題は、
勿論自分が何かを望めば何でも叶えてくれるなどと驕ってはいないけれど、涼州遠征に限っては司馬懿は譲らない姿勢を見せていることは分かった。
戦う意志のようなものかもしれない。
涼州に行きたくない、徐庶の存在が恐ろしいと打ち明けると、徐庶の側に自分を躊躇いなく配置して来た。
元々、
司馬懿の許で、司馬孚に見守られながら、ぬるま湯に浸かって過ごしすぎた。
司馬懿は戦うために自分を連れて来たと言ったのだから、戦う意志がなくなったと判断されたら、その時は必ず殺される。
生かしておく利点がないのだから、それは必ず、そうなる。
これ以上弱味を見せることは危険なのだ。
(尤も、司馬懿殿をどうにかしてまで生きたいと、
どうしても生き延びたいという気持ちが今は生まれてこないのが事実ではあるのだが)
だから一夜明ければ別に徐庶の側だろうが、誰の側だろうが構わないではないかという気持ちになったし、戦場では戦場の一番前線だろうが、一番後方だろうが、行けと言われた場所に行くだけだと思ったのだ。
【
涼州騎馬隊は精強だという。
もしかしたら呆気なく、自分は討たれて終わるかもしれない。
憎らしく思っているはずの飄義でさえ自分は斬れなかったのだから。
こいつを斬ったら呉に戻してやるとまで言われたのに、斬れなかった。
(……私がそうなるのは単なる心の弱さ。
そうなっても……もう、悔いは無い。だけど……)
郭嘉はまだ間に合うかもしれない。
彼のことはまだ全然知らないけど。
(もう、何かが少しだけ変わったら、生きられたかもしれない人が死ぬのを見るのは嫌だ)
司馬懿に郭嘉のことを話すと、またお前が連れて行くなというのなら連れて行こうなどと反対のことをされるかもしれないと思い、自分と司馬懿の事情にこの女性を巻き込みたくなかったので、陸議は敢えて司馬懿は回避することにした。
彼が総大将なので、勿論最終的には彼の判断を仰ぐことになるが、それでも自分の名を出さず郭嘉が納得して辞退し、司馬懿に話が行けば、恐らくあの感じでは反対はしないだろうと思ったのだ。
今回、司馬懿以外に郭嘉に出陣を踏みとどまったらどうかという話を出来る相手がいた。
――
彼が郭嘉を副官に起用したので、事情を話し、そういうことならば今回はと彼を説得できれば
陸議は狙いを賈詡に決めた。
「……この戦いに郭嘉殿を連れていくと決めたのは
彼に一度話をしに行ってみましょう。
勿論どうなるかは分かりませんが……それでも構わないのなら、お連れします」
彼女は深く、頭を下げた。
「感謝いたします。ありがとうございます。それで構いません。
私を賈文和将軍の許にお連れ下さい」
「では今から行きましょう。早いほうがいい」
彼女に一礼し、
【終】
花天月地【第32話 青い花の情景】 七海ポルカ @reeeeeen13
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