童が見た幻想的な風景、それは語り継がれるのか。

本作は作者様が常々描いて来られた、背筋が凍るような怪談話ではなく、不思議な雰囲気に満ちた幻想談です。
磯に座り海を見続ける老人と、彼に興味を持って話し掛ける童。
老人は童には見えない<海の子>に語り掛けながら海を見続け、童は彼を狂人と思いつつも惹かれる。
そして最後に童が老人から見せられた幻想的な風景と、その先にある結末。
途中で引かれた伏線も見事に回収され、不思議な読後感を味わうことが出来ました。
童が見せられたのは、どんな風景だったのか。
それは秘密です。
知りたい方はご一読を。

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