夏のゆらぎ

志乃亜サク

夏のゆらぎ

平行線のそのどちらかを傾けて

いつか交わればと夢みる向日葵


置き去りの約束がある気がしてる

眩暈めまいするよなあの夏の日に


電柱と信号の四分音符のみ

連なりゆくよあの夏空へ


ふいに等速直線運動をおもうとき

同じ速さでまっすぐに離れゆくさま


傘がない私の肩をつ雨は

咎めるように責めるように


雨あがりむかし別れた横顔に

似たおもかげを追えば向日葵


あの空のコントラストは今も目に在り

夏よ青よ  悲しき青よ


枯れてのち まっすぐに立つ向日葵は

果てなき夏の夢を見ている


外階段よりタバコの煙のゆくさきを

見上げれば青 夏が終わるよ


青空に一筋ひいてかすれゆく

飛行機雲コントレイルはさびしい直線


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夏のゆらぎ 志乃亜サク @gophe

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