概要
シャルル聴きサヨナラ言ったあの人をたまに思って夜が過ぎ去る
さよならとありがとうを、繰り返す日々。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!青春の残響、夜にほどける歌たち
“シャルル聴きサヨナラ言ったあの人をたまに思って過ぎ去る夜だ”──その一首で始まるこの連作短歌は、まるで青春のワンシーンをそっと切り取ったような、静かでどこか切ない美しさに満ちています。別れの余韻、ささやかな日常の彷徨、仲間との温かい時間。そのどれもが、等身大の「僕」として心に語りかけてくるのです。
「うろつく僕はコンビニゾンビ」や「革ジャンを破って捨てて」のような鋭くもユーモラスな感性も魅力的で、読み手をくすっとさせながら、深い孤独や再生への願いをそっと滲ませてくれます。
言葉の選び方、リズム、さりげないユーモアと真心が、まるで夜更けのラジオのように、やさしく胸に響いてきました。 - ★★★ Excellent!!!コミカルさが素敵でした。
『ぬくもりを求めて探すカップ麺うろつく僕はコンビニゾンビ』
注目するべきは言葉たちの取り合わせです。
初句の『ぬくもりを』へと続く言葉は『カップ麺』と『コンビニゾンビ』。
温もりを求めているはずなのに探すのはカップ麺という簡素かつ調理に時間のかからない、冷たさのある食品。そして、結句も生気も血の気もないゾンビという生き物。
反対の言葉同士の取り合わせかもしれません。
ですが、カップ麺自体はとても温かい食べ物であり、無性にカップ麺が食べたくなる時ってありますよね。あの時の温もりといったら、手作り料理に匹敵する温かさがあります!
とすると、『コンビニゾンビ』が何故だかポップでファンシ…続きを読む