概要
封じた記憶を雨が開く
会社員の相良美弥子は降り続く雨に、なにか嫌なものを感じていた――見慣れぬ少女の姿を幻視するのだ。
己の罪をえぐり出す雨ホラー。
柴田恭太朗さん主催『【三題噺 #99】「雨」「口」「理由」』応募作。
己の罪をえぐり出す雨ホラー。
柴田恭太朗さん主催『【三題噺 #99】「雨」「口」「理由」』応募作。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!『幼さ』が持ちうる『危うさ』の正体。その『水』の中には何が眠る?
じめっとした感触と共に、逃げ場のない怖さのようなものが迫ってきました。
主人公である美弥子は、久しぶりにかつての同級生である愛華や仁美たちと集まることに。
その話の中で「雨の口」と呼ばれる土地がかつて近くにあったことを思い返す。
用途は不明だが、なぜかいつも水がなみなみと湛えられている場所。
このイメージだけで、なんとなく嫌な予感がしてきます。「忘れていたこと」と「そこに出てくる水がたっぷりある場所」と。
何かが隠されていそう。何かが沈んでいそう。人々の「日常」の外側にあり、一度そこに呑みこまれたら、誰からも気づかれなくなりそうな。
それについて「何か」を忘れていると…続きを読む