エルフはヒトを愛せない　〜極めた魔法でエルフ助ける ⇒ ハート目エルフ量産 ⇒ 僕が人間と知って曇る～　

　世界には様々な種族が存在するが、その中でもエルフは特に優れていると言われる。平凡な村の平凡な両親から生まれた青年アインは、そんなエルフに普通ではない憧れを持った。それは平凡な村人が卓越した魔法の腕を持つに至り、姿形までエルフに似せるほどだった。

　そしてそんな青年が、人間社会のあちこちで不遇な扱いを受けるエルフを助けようとするのは必然であり、その結果多くのエルフから好意を向けられていく。

　しかし、アインは知らなかったのだ。エルフはみな、人生で一度しか恋をしない。ただひとりを生涯の伴侶と定め、互いの魂を契約によって結びつける。

　そんな種族特性を持っているから、かつてのエルフたちは種族全体に呪いをかけたのだ。――短命なヒトと、けして結ばれてはならない呪いを。