概要
空を鳥のように舞う、過酷な土地で生きるために必要な感覚は、血の記憶として引継がれていった。
彼らは風を読み、風と舞い、風と共に生きる。
空を翔けるための、ある特別な道具を受け継ぎながら。
風の流れを掴み取り、大地を見下ろし、空を翔け抜ける。
誰よりも空に近く、誰よりも自由を知る民――彼らは〝ワタリ″の民と呼ばれた。
そして――少年は、最後のワタリの民となる――。
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――人生は嵐だ、若き友よ。陽の光を浴びても、次の瞬間には岩の上で砕け散るだろう。だが、それはチャンスだ。その時どう立ち上がるかで未来が開けるのだ――アレクサンドル・デュマ(1802–1870)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!仲間がいれば、絶望なんてありえない
一度は絶望を経験した少年が、仲間と共に困難に立ち向かい己の夢に向かって奮闘する。
昔、少年漫画を読んだときのような熱い感情を思い起こさせる、気持ちいい青春活劇です。
主人公の少年、マークは快活で嫌味がなく、まさに少年漫画からそのまま飛び出してきたよう。ひたむきに頑張る姿は、思わず応援したくなってきます。
敵味方問わずしっかり掘り下げがされるため、それぞれのストーリーを感じ、ただの主人公の成長譚ではなく物語が縦にも横にも広がっていくのも魅力の一つ。
じっくり読んでもいいですが、勢いそのままに一気読みしたくなる、そんな王道の青春ファンタジーです。
おすすめです! - ★★★ Excellent!!!少年漫画を愛する作者様の『好き』に彩られた快作!
最終話まで読了しましたのでレビューさせていただきます。
まずキャラクターが生き生きしているのが素晴らしいです。真っ直ぐ王道系の主人公・マークに、口が悪く喧嘩っ早いけれども強くてカッコいいデューク、一見女好きの軽い奴と思いきや内に秘めたものは熱いテレンスのメイン三人は勿論、彼らの相棒とも言えるルシファーやイグニスなど、登場人物みんながキャラが立っており、それだけで物語に引き込まれます。
ストーリーも人間に寄生する謎の生命体を軸に分かりやすく展開されていて、バトルあり、陰謀あり、謎あり、コメディありとまさに良質な少年漫画を読んでいるような感覚を与えてくれます。
第二部も構想がおありなよ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!厳しい運命を風と共に越えていく、生きる力と優しさに満ちた物語
当作品の『風斬りのドグマ』、まず文章の完成度が素晴らしいです。
読者の方々に向けて、ストーリー・テーマ・人物描写のいずれも分かりやすく伝わりやすく、
いつもするすると読み進めていくことができるように言葉を選びに選び抜いて構築されています。
もう全編に渡って、作者様の読み手に向けてくれる優しさとあたたかな心遣い、
そして物語への愛が煌めいています。本当に凄いです。
ストーリーと登場人物たちも魅力と面白さが溢れるくらいにいっぱいで、
楽しい時には胸いっぱい、元気いっぱいに楽しくはしゃいだり、
時に恐ろしくつらい事態、厳しい事態に直面しても、
決して生きる意志を失わずに、未来への飛翔を続けてくれ…続きを読む