ある日、骸骨の姿で目覚め、自分が誰なのか名前も思い出せない導入が目を引きます。
場所は廃校という名の閉鎖空間。そこで過去の経緯を見出し、成仏を目指し脱出を試みるのが大筋のストーリーとなります。
軽妙な骸骨ギャグとシリアスがいい塩梅で同居したミステリー。平常心の背中を湿らせるように凍らせてくる恐怖のグラデーションにゾクゾクしますね。コメディとホラーのバランス感覚を緩急伴いながら惑わすように魅せてくれます。人間味を滲ませ、ひとつのドラマとして成立させている本作。ホラーの苦手な方でも手に取りやすいミステリーを織り交ぜたコメディホラーです。クスッと面白く読めるのでオススメです。
目覚めると、そこは廃校だった。
主人公の姿は「骨」になっている。
記憶は無い。
骨身のために、性別すら分からない。
「俺」と自分を呼ぶから男だろう。
隣に同じような骸骨がいた。
言葉遣いからどうやら少女のようだ。
彼女もまた、記憶がない。
記憶を無くした二人の骸骨は、互いに「ウキン」「テアシ」と呼び合う。
テアシの話では、つい先ほどまで「スカおじ」という骸骨もいたらしい。
スカおじによれば、「自分が何者なのか」を知れば成仏でき、生きている者に憑依すれば、廃校から出られる、という。
二人は、自分たちが何者なのかを知るためにどこからかスマホを取り出して死因を検索し始めるが――。
骨となった登場人物たちが、己の存在を知るために奔走する、異色すぎるミステリ・ホラーです。
ホラーですが、骨たちの会話はすごく面白く、さらには骨身ならではのギャグも奮発されます!
しかし、唐突に巻き起こる事件やスマホで知るニュースを読むと、ぞくりと背筋が凍る思いでした!
コメディとホラーの緩急が、とにかく素晴らしいです!
さらには、死因も分からないまま白骨化してしまった骨たちの想いを知るにつれて、感情を大きく揺さぶられます。
死のうが生きようが、人を想う心を持ちたいと思えました!
骨身に響く傑作、是非ともご拝読ください!
春野セイさんの異色の骸骨小説(笑)が完結しました。面白かったぁ!
主人公は骸骨、しかもほとんどの人からは見えない。骸骨の形をした幽霊みたいなものですね。
彼らの名前もユニークです。テアシ、ウキン、スカおじ
何でこんな名前かというと、それは作品を読めば分かります。
骸骨だから、心理描写が難しいようです。
心臓がドキドキとか、ごくりと唾を飲むとかできないので。それでも何とか工夫している作者。なんか涙ぐましいです(笑)
体操座りしたり、うたた寝して舟を漕ぐとか、骸骨がしてるとこ想像すると可笑しくて、吹き出してしまうのですが、ジャンルはホラーでミステリー仕立てです。結構シビアです。恋愛要素もあり!
なぜ彼らは骸骨の幽霊となってそこにいたのか、回が進むごとに謎が謎を呼び目が離せなくなる。
各話は1500〜2000字と短く読みやすい。一気読みできます。
とてもおススメです。是非読んでみてください。
最新話 ( 第14話 ) まで読了。
まず面白いのは、主人公含め登場人物がみな……既に死んでいる。
死んでいるだけならいいが、何しろ白骨化しているので、身元・性別・年齢はおろか死因もわからない。
そんなホラーマン達な彼らはなぜか「廃学校」にて目覚め、自分の過去とここから脱出する術を探る。が、その不気味な廃墟にて、思いがけない事件が次々と起こり—————という、一風変わったクローズドサークル、いやホラーサバイバル、いや骸骨パニック、はたまた自分探しの人間(骨)ドラマ。
ジャンルに縛られない面白さと、先の読めない展開。ギャグとシリアス、怖さと笑いのバランスが絶妙で、笑いながらもヒヤッとする。
まだまだ明かされない謎はたくさんあり、骨たちの行く先が気になります。
ホラーミステリー好きへ、是非お勧めしたい。
主人公たちが巻き込まれたのは、集められた参加者全員が白骨死体という、デスゲームならぬデッドゲームとでも呼ぶべき、閉鎖空間での自分探しゲーム兼脱出ゲーム。特殊設定ミステリーであり、さらに、フーダニットというよりはワットダニット(?)、フームダニット(?)で、推理するべき内容も特殊であることから、先を予測できない面白さがある。
また、本作の魅力が現れているのはミステリー部分だけではない。結構な頻度で骸骨あるあるギャグが繰り出され、まじめでシリアスな本筋とのギャップにクスリとしてしまう。骸骨あるあるを言いたい人に特におすすめ。