時告げ鳥の鳴く頃に

「森の魔女」と忌み嫌われ「魔性の女」と謳われたその女の正体は、義父と共に森の奥で農業や薬売りの仕事をして暮らす、平凡な田舎娘だった。村人達は、彼女が森の中で歌う歌声を愛していた。

しかし、そんなささやかながらも穏やかで平和な暮らしは、村に持ち込まれた流行病によって一変してしまう。病による混乱の中で、少女は無実の罪を着せられてしまった。そして村を追い出されてしまったのだ。

所持金もないまま、街に出てきた少女は、生きる為に、ある苦渋の決断を強いられることになるのだが...。

「幸せな人生なんて存在しない。地上は痛いこと、苦しいことだらけだけれど、天国のかけらをひとつずつ集め、私は自分で幸せな物語を作る事ができる」...命が尽きるまで、そう信じて戦いながら生きた、儚くも強い少女の物語。

純…続きを読む