俳句のかゆい所を説明してくれるエッセイ

夏井いつき先生の俳句コーナーで扱われた句について添削している作品。
大先生の添削に手を入れるのを怖れず、そして番組中、低評価だった句にも「厳しすぎた」との温情の目があり、それが本作を読む面白さに転化されています。
俳句には絶対的な正解がないために、複数人の添削に触れることで、ひとつの俳句が全然別の姿へ様変わりする可能性を楽しめます。

俳句は暗黙のルールが複雑で、初心者だとプレバトの添削を見ていても、なぜこう直されるのか分からなかったりします。それらの解説も追加で書かれています。

もとの句「本番は明日風邪蔓延の稽古場」

添削後 「本番は明日なり風邪の演劇部」

添削後、すっきりとした印象になって、俳句から受け取れる映像が分かりやすくなっています。
エッセイとしてはもちろん、創作論としても面白い作品。

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