第12章:新たな夜明け
1918年11月11日、パリ。
コンコルド広場に、歓喜の声が響き渡る。休戦協定が締結され、第一次世界大戦が終わりを告げた瞬間だった。
原川は、ある隠れ家のテラスから、その光景を見下ろしていた。
「これで、全てが終わったのですね」
執事が、感慨深げに呟く。
「いいえ、これは始まりです」
原川は、静かに答えた。
彼女の計画は、見事に成功していた。マタ・ハリの処刑は回避され、代わりに極秘の和平工作が実を結んだ。歴史は、確実に新しい方向へと進み始めていた。
テーブルの上には、各国の新聞が広げられている。どれも、第一次世界大戦の終結を大々的に報じていた。そして、その裏で行われた極秘交渉の功労者として、一人の踊り子の名が、密かに語り継がれることになる。
(歴史は、変えられた)
原川は、深いため息をつく。
これからマタ・ハリとしてどう生きていこうか……。
そう考える原川の頬をパリの風が優しく撫でていった。
(了)
【TS転生短編小説】「異説 マタ・ハリ ~夜明けのエスピオナージュ~」(9,976字) 藍埜佑(あいのたすく) @shirosagi_kurousagi
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