お互いを下に見てる日陰者同士が初々しいキスをするまで

一戸建てに引っ越した。
心機一転、新しい部屋のカーテンを開けると、下着姿の女の子がいた。

「――ハア゛ッッッ！？！？」

汚い悲鳴を上げて隠れた彼女は、隅野みかげ。
僕と同じようにクラスで孤立している、同類の陰キャだった。

そしてゆっくりと交流が始まり、日常が変わる。
別に好きなわけじゃない。ただ他に相手がいないだけ……。
そんな言い訳をしながら、だけど、僕はいずれ理解する。
自分を理解できるのは、同じ境遇の彼女しかいないのだと。

ぼっち同士が身を寄せ合って、二人だけの聖域を作っていく話。