『ただの書道家であって、決して魔王じゃないんです』平和に書きたいだけなのに、双子の弟を探す間におかしな事になっているので助けてください

　書道がやりたいだけなのに、なぜか悉く魔法になって――いえ、おれは魔王じゃありません。

　書道家を志す、百夜伊墨（いずみ）。

　彼は優秀な双子の弟の学費のために進学を諦め、バイトを掛け持ちしていたが、
弟に疎まれたあげく、バイト先で書道家の命である右腕を失ってしまう。

「やり直せるなら、平和に書いていたい」

　失意の中で異世界に召喚されてしまう――なんと『食材』として。

　そこは魔法族の住む異世界。
「芸術は犯罪」として禁止された国であり、芸術家はアトリエを爆破され投獄される恐ろしい所だ。

　それなのに、一緒に居たはずの弟が居ない。
『食材しか召喚できない』ポンコツ召喚士は「どこかに落として」しまったというし、
　伊墨の書道を見た悪魔は、なぜか『残虐な呪術師』と勘違いして恐怖する…続きを読む