ブラウンカンパーニュ

教国において絶対的な力を持つ聖騎士団に所属するローガン・フォードは、かねてより討伐対象であった怪鳥を追い、酷い雪山を駆けていた。
彼の能力の高さは軍団随一ではあったが、彼の下につく者たちは決して精鋭ではなかった。

その証拠に、彼らの表情はどれも疲弊しきっていて、ローガンにとっての重荷でしかなかった。



部下の疲弊しきった姿に、男の悪い癖が出た。

より多くの命を残すために、彼は単独での行動を選択した。

結果的に、男の過信は最悪の事態を招いていた。

くすんだ灰色の空を排し、飛び立った怪鳥に負わされた左腕の傷を引き連れて、辿り着いた先は仄暗い森の中だった。




そんな手負いの男を拾い、廃れた丸太小屋で甲斐甲斐しく介抱する男の名は、ゲイルといった。

彼はこの国では、差別対象である褐…続きを読む