悪役令嬢の息子は消えたほうが世のためですか？

「心臓を捧げよ。これは王命である」
王宮から追放された悪役令嬢。その息子である俺は、ある日、父王に呼び出されてこう言われた。

王位継承権第一位の弟が襲撃されて呪いを受けてしまい、それを解消するには俺の心臓が必要なのだという。世の為国の為、命を捧げるよう言われた俺だったが、実は幼い頃から母にこう言い含められていた。

「王とその愛妾に復讐せよ」

誰を守るべきか。何を守るべきか。この世は、この国は俺に何を望むのか。
悩む俺の前に近衛兵のヴァレリーが現われて――。