【アボリジニ転生短編小説】永遠の環 —時を超えた魂の記憶—（約9,800字）

　オーストラリアの文化人類学者、ジェームズ・カーター。
　40年以上に渡ってアボリジニの文化を研究してきた彼は、死の間際に一つの願いを抱く。
「実際に彼らの暮らしを、この目で見てみたい」
　その祈りは叶えられた。
　目覚めた時、彼は一万年前のアボリジニの少女、ワイラとして生まれ変わっていた。現代の学術的知識と、古代を生きる少女の感性。二つの記憶を持つ彼女の目に映る世界とは——。
　知ることと生きることの違い。科学と神話の調和。そして、人類が忘れかけている大切な知恵。
　魂の旅路が明かす、永遠の真実とは。
　時を超えた魂の物語が、今始まる。