禍々しい漆黒
彼は長身で屈強な体格の中年男性で、髪には白い物が
だが、顔立ちは
「えっと、貴方は……、いや、僕は……、一体、誰なんですか?」
頭で文章を上手く
ところが、男はまったく戸惑う様子を見せず、
「貴方は、
口の中で何度か、その名前を繰り返してみるが、まったく実感が
まるで他人の名前を与えられたかのようだ。
「僕は記憶喪失なんですか? またと
男に尋ねる。信用できる相手か否かは判らないが、情報を得ないと話にならない。
我ながら、理解も判断も速いと思う。“
「
丁寧な
僕が周期的に記憶喪失に
「一定の周期とは、具体的にはどれくらいですか?」
僕は淡々と問いを重ねた。もしかすると、わざわざ僕が口を開かずとも、彼は質問の内容を予測できているのかもしれないけれど。
「約一ヶ月で突然、全ての記憶が失われます。残念ながら、改善の手段は見つかっておりません」
後半の言葉は余計だった。言われずとも、治療できていないことは現状から明らかだ。
「なるほど。状況は大体、理解できてきたと思います」
僕は頷いて言う。
「じゃあ次に、貴方のことを教えてください。僕と貴方の関係性を含めて」
「わたくしは
そう告げて、
「
黒い
次の更新予定
目眩神楽――Mekura kagura 葉月めまい|本格ミステリ&頭脳戦 @Clown_au
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。目眩神楽――Mekura kaguraの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます