降り積もった優しさの分だけ、最期はどうか安らかな想いを

生存のために必要とされる食糧
まずそこに目が行きがちだけれど、
支援の手はそこまでで止まってやしないだろうか?

被災地や避難所に纏わる文を多く書いてきた実感から云うと
この物語の根底に流れている部分は、実は
現実世界に蔓延している心理なのかもしれないと
恐ろしくもなる

生きるために必要、から
食わせてやってるんだから黙ってろ、に
思考が滑っていくのを人は止められるだろうか

生きるのに必要なのは、優しさ
等と綺麗事を云うつもりはないが

想像力、というのは
もっとも見過ごされている
必須の人間らしさなのではないかと
改めて思わされる、
美しく切ない物語

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