第6話

朝、起こされた。

起きて朝食を食べる。

やはり美味い。

そしてテレビだ。

二人で見る。画面の中では何人もが笑っていた。

ばあちゃんも笑っている。

しかしこうきは、その内容がまるでわからなかった。

頭の中は、昨日のあいつのことでいっぱいだった。

――もしかし

て、今日も来るのか。

来たらどうすればいいんだ。

そんなことを考えていると、ばあちゃんが縁側に出た。

こうきはついて行き、ばあちゃんの少し後ろに座った。

そのまま時が過ぎる。

ばあちゃんは動かない。

なにも言わない。

それはこうきも同じだ。

昨日と同じく結構時間が過ぎたと思われる頃、あいつがやって来た。

何度見ても信じられないほどに異様な姿のあいつが。

来ると言った。

「お菓子食べたい。ちょうだい」

ばあちゃんが言った。

「すまんのう。今日はお菓子はないんじゃ」

するとそいつがこうきを見て言った。

「それじゃあ、そこのお兄ちゃんが食べたい。ちょうだい」

ばあちゃんが答えた。



       終

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ばあちゃんのお友達 ツヨシ @kunkunkonkon

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ