第四話『〈献血ビジネス〉と呼称することの妥当性』

 【注記】

 以下では、「日本赤十字社は、日本赤十字社法に基づくれっきとした認可法人であり、売上を上げる、利益を追求することには、何の違法性もない」ということを念頭に、論じていく。



——献血はビジネスか?



 私は、そう呼称しても差し支えないと、考える。


 その理由として、まず、この数字を見てほしい。



——134,801,080,194円



 これは、日本赤十字社の令和5年度決算書にある、『輸血用血液製剤供給収益』の数値である。


 つまりどういうことかと言うと、日本赤十字社が、輸血用の血液製剤を、輸血用の血液を必要とする全国の医療機関に対して販売した売上が【約1350億】である、ということを示す。


 ちなみにそれに加えて、『原料血漿けっしょう供給収益』の……



——12,416,146,401円



 これも、存在する。


 合計……



——147,217,226,595円。



 【約1500億円弱】である。


(ちなみに売上金額1000億円以上の企業グループは全企業の4%程度しかない)


 他にも事業収益が【165,518,316円】存在するが、何の事業かは謎である(詳しい方いらっしゃいましたら、教えてください)。


 が、これはあくまで「売上」であるので、「利益」の方はどうだったかと言うと……



——8,210,016,141円




 【約82億円】である。


 ここに、前年度までの内部留保ないぶりゅうほ金(= 期首の繰越剰余くりこしよじょう金のことを言いたい)……



——1,579,143,431円



 これも加えると……



——9,789,159,572円の、当期未処分剰余金、となる。



 なんと、【100億円】近いのである。

 

(補足:当期の総収益から総費用を差し引いた剰余金を当期剰余金という。当期剰余金と期首の繰越剰余金を加算した金額が当期未処分剰余金である)


 もちろん、万一の時のためにある程度貯蓄プールしておく必要があるのかもしれない。が、我々がリスクを背負って、貴重な休日の時間や労力を捻出ねんしゅつしてまで、ほぼタダ同然で提供した血液が、こんな莫大な利益に化けるのは、事実である。


〜〜〜収益・利益のソース提示〜〜〜

 日本赤十字社 令和5年度血液事業特別会計決算書-損益計算書.p20-21

 https://www.jrc.or.jp/donation/pdf/R5_sainyuusaisyutsukessan.pdf
〜〜〜ソース提示終わり〜〜〜



 最後に、誤解があらぬよう……


 私は、献血というものそのものに反対しているわけではない。


 現行の血液製剤の流通フロー、使用方法の下では、どうも献血する気にはなれない、というだけである。


 だからもちろん、自分の周りに、血液が必要な人がいて、かつ自分の血液が適合して、その人に確実に血液が届き、役に立てるなら、献血するだろう。


 儲けや人体実験のために罪なき老人を虐めることが前提となった献血、不健全な献血が、この日本からなくなりますよう……


   〈了〉

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リアル吸血鬼~赤褐色の献血ビジネス~ 加賀倉 創作【書く精】 @sousakukagakura

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