読み進めるごとに、「おい、そっちかよ!」と何度も翻弄されるようになっていきます。
新しい家に引っ越した麻友ちゃんと父親の宏明たち。その家には『マユちゃん』という名前の巨大なカエルが棲んでいた。
この段階で、「あ、不思議アニマルとの同居コメディだ!」と既存知識が一つ引っ張り出されます。
……だが、違った。
直後、マユちゃんの因縁の相手らしい『藤右衛門』と名乗る何者かが訪ねてくる。ここで時代劇調の名前のキャラ? そうか! でかいカエルと言えばジライヤ! NA〇UTOでお馴染、忍者キャラだな! と予想を立てます。
そして読み進め、「そっちかよ!」とまた度胆を抜かれました。
その後も次々と、読者の度肝を抜くキャラクターたちが登場し、同じく度胆を抜くようなやり取りをしてきます。
シュールな世界観に頬が緩んだり、思わぬ言い回しに爆笑したり、とにかく先の予想がつかず、翻弄されつつも笑ってしまうという、とても楽しい作品です。