恋の始まりの甘酸っぱさと爽やかさと

この作品は、恋愛物語で言う所の「最初の方」を描いた作品です。
ただ、内容が薄く短いの?と終わられた方がいらしたら、私はしっかりと否定します。
そして、最初の2話をまず読んで下さい!と言うはずです。

恋愛の始まりの甘酸っぱさと爽やかさ、物語のプロローグのようなワクワク感。
そう言った恋の始まりの心境が、本当に丹念に瑞々しい文体と構成によって書かれています。

それは読んでいて、様々な心地良い感情を呼び起こされて、じっくり大切に読みたい、と思わされます。
静かで平和。だけど心動かされるキャラクターの魅力や文章力。
好きな人を呼び捨てにする。
そんな付き合ってる2人にはあたりまえの事を、ここまで丹念に繊細にさんガラス細工のように描かれる作者様の感性に頭が下がる思いです。

小説っていいな、文字だからこそ自分の中の心地良さを呼び起こされるんだ……と、最認識させて下さるこの作品の魅力にぜひ浸って頂ければ何より幸せです。