【カクヨムコン10】Mr.obramaestra

尾岡れき@猫部

Mr.obramaestra

「猫目君、準備は怠らないように」


 と神父はロザリオを象った錫杖をつき、確認する。とんとん、と石畳が妙に軽い。下が空洞なのを物語っている。


 彼女はにっこりと笑う。釣り目、どことなく猫を連想させる。だから彼女は猫目とよばれている。名前はそれ以外には無い。あるのは認識番号。ナンバーチャイルド、という呼称だけだ。彼女の番号は00546358。コード「銀」。だがそんな味気ない名前を彼女は名乗るつもりもない。

 くるくるとかわる、その目。表情。神父は何より愛しいと思う。


「キリア神父、行こうよ」


 わくわくしたように猫目は言う。彼女の担当になってから、キリアは表情が柔らかくなったのを自覚する。ナンバーチャイルドは教会にとっては、剣や法術のように、道具の一つでしかない。使い捨ての駒と言う牧師もいる。実際、感情を切断したり、操作し仕事に徹しやすくしている牧師や技師は後をたたない。


 だが猫目には、それは必要無いと思う。彼女は自分のすべき仕事を理解している。それ以上、何かを操作する必要は無い。神父キリアは、己の法術に徹底すればいい。それだけで、仕事は完遂できる。細工は彼女の機動性を削ぐに等しい。


「僕は準備はいいかと聞いたんですよ?」


 と神父は縁なしの眼鏡を押し上げる。銀色の双眸が優しく猫目を見下ろしていた。対する瑠子目は黄金色に輝く目を持つ。彼女の身体能力の一つ、暗視だ。彼女は眼力に超常技術を施されている。別名、神眼とも呼ばれる。ただし、キリアはほとんど、その目の能力を使わさず、彼女の身体能力のみに任せている。

 猫目の自我を守る為だ。もとい、それ以上の人格を破壊する超常技術など、武器として意味をなさない、というのがキリア神父の見解だ。


「準備なら、オッケーだよ」

「全然、ダメです」

「え?」

「弾倉に弾を装填せず、どうするんですか?」


 冷ややかに言う。猫目はにっと笑った。


「装填する時間も入れて、必要ないと判断したんだよー」

「そうですか」


 と錫杖を構える。杖で地面をまた軽く叩く。呟く。言葉にならない言葉。力をこめた言葉。法の体系を並び替える力強い言葉。音ではとても表現できない言葉。万物の構造構成を全て理解しないと発することはおろか、一語も意味の無い音に成り下がる。

 それを総じて、法術と言う。


「崩」


 石畳が崩れる。キリアは身を引力に任せ、猫目は何回転も体を回して、懐から拳銃を取り出す。年代物のリボルバー型。今となっては骨董品でしかない。ただし、キリアが鋳造した銀の弾丸。これを装填する事によって、価値は全く変わる。


「猫目君、出たよ。不死人達が」


 土から盛り上がるように、腐乱死体が手を伸ばす。死臭が鼻につく。だが、猫目は躊躇せず、一匹一匹、確実に打ち抜いていく。打ち抜かれた場所が、霧散する。聖水を浸透させた特別製の銀だ。そして銀の属性を持つ猫目。愛称は抜群と言っていい。キリア神父の研究の成果でもある。


「どこに行けばいいの、キリア神父」

「ここはどうやら、旧下水道のようだね」

「ふぅん」


 興味なさ気である。神父は苦笑する。そんな猫目のリアクションにももう慣れた。むしろ可愛げすら感じる。頭脳労働はキリアの仕事と分担が決まっているからだ。ただし、汚い仕事は絶対にキリアにはさせない。それは猫目の小さなプライドとも言えた。


「灯」


 呟きとともに、神父の錫杖に橙色に薄く明かりが灯る。光に彩られて、神父はふん、と息を吐いた。光に導かれて、腐乱した死体達が、再生を繰り返していた。まるで地獄絵図の断片を見ているようですらある。もっとも人間が作り出した地獄絵図だが。


 不死人――正確には、不的確細胞異分子劣化体の呼称である。ラボで作られた失敗作の流出だ。この時代、戦争という文字は辞書から消え、チェスが同義語としてある。駒がチャイルドを初めとする生体兵器だ。人間は駒を動かすだけで言い。ただし、熾烈な戦闘は人間体人間より、過激で残酷だ。


 キリア達の属する教会はチェスの廃止を呼びかけている平和維持活動組織だ。もっとも、思想の統一。つまり、神の均一を図る。その意味においてのチェスの撲滅だから、他の国と大差は無い。教会は国を持たないが、数多の国の架け橋として、時に援助し、時に謀略をめぐらす。


 国々を影から操作する、陰湿な団体と言ってもいい。


 まぁキリア達現場レベルには無関係な話題だ。どこの国が潰れようが、勝利しようが、結局は駒には意味の無い話だ。神父や牧師を崇高な神の僕という輩もいるが、それは大きな間違いだ。泥仕事よりも汚い、失敗作の撤去。神が見たら、さぞ喜ぶだろう。キリアはこの現状を神に見せてやりたい、と思う。


(糞くらえ)


 と吐き捨てる。神は何もしない。何かを為すのは人だ。

 猫目はそんなキリアの微笑な感情の変化に気付いてか、気付かずか、再生しようとする不死人を打ち抜く。霧散し、肉片ごと蒸気と消える。


「いきますよ」

「うん」


 にっと笑う。キリアの歩くべき道を作った、と言いたげに。時々、猫目の無垢な目に全てを見透かされそうになる。


「キリア神父」

「なんですか?」

「なんかね」

「はい?」

「私、時々、神父が可愛いって思う時あるんだ」

「・・・・・・・」


 前言撤回。見透かされているのではなくて、バカにされているらしい。


「背信者にそういう事を言うのは、猫目君くらいですよ」


 小さく笑んで、キリアは足を速めた。教会内では背信者キリアと蔑む人がほとんどだ。キリアが神への信心を向けてないのは明らかだからだ。それでも教会が彼を手放さないのは、キリアの強力な法術ゆえだ。


 所詮、教会の信仰など、その程度のものだ。本当の信心は、とうの昔に免罪符で売却されている。偽りの平和、巨額の契約、無報酬に近い神父達とチャイルドの働き、それをもってもたらされる国交と和平。そしてチェス。ゲーム感覚で彼らは生体兵器の量産をする。あくまで生体。命という道徳概念は押しやっている。


 せめて猫目がチェスに狩り出されないだけ、幸運かもしれない。

 銃声が響く。


 猫目にだけ、活躍させる訳にはいかない。神父は錫杖で円を描く。その線に添って炎が生まれる。すでに法術の読誦は完成している。


「焔」


 神父を中心に、炎が波状に死体達を飲み込んでいく。一瞬で、灰にして勝負は決した。


「あーあ、そんな大技決めなくても」


 と微苦笑して、弾倉に猫目は弾丸をこめている。


「うざいんですよ、単細胞は」

「そう言われても、私にはよく分からない」


「分裂してばっかで脳の無いアホは僕は嫌いなんです」

「ようはお馬鹿ちゃんのことね」

「……そう……ですね」

 どうも低俗的な会話にしかならない。まぁそれも毎度のことだ。それを含めて全て猫目の愛すべき点だ。これをなくしたら、人格の欠片は一つもなくなってしまう。そしてキリアはセキュリティーを解除するつもりは今後も一切無い。それでいいとキリアは思う。猫目の不足さをキリアが補う。キリアの不足を猫目が補う。それでいいと思う。不死人の駆逐程度なら――。


「行きますよ」


 眼鏡をくいっとあげながら、先を急ぐ。不死人達が大量生産している場所に、彼らの核があるはずだ。複製達には用は無い。目指すは、オリジナルだ。


 銃声。弾倉から弾を弾き出し、装填し、そしてまた連射。その間にキリアは読誦を完成させる。


「嵐」


 荒ぶる風が錫杖から生まれる。銀弾でかろうじて残った肢体を、風で切り刻む。さらに残った破片を、猫目がにっと笑んで、引き金を引く。まさに怒濤の進撃だった。


「キリア神父、くさいっ」

「僕が臭いように言うな」


「だって臭いよー」

「元々、下水道なんだから文句は言わない」

「ネズミもいるしー」


「仮にも『猫』って名乗ってるんだから、そんなの怖がるんじゃありません」

「私はこれでも女の子だもんっ」

「その自覚は?」


 白い目で、神父は見る。


「無いけどさぁ」


 と銃を乱射して、道を作る。その屍を神父は踏みつぶす。小さな苦笑を浮かべて。

 教会のハンターでも有名な背信者キリアと、ナンバーチャイルド猫目。この二人を総称してMr.obramaestraと呼ぶ。圧倒的な仕事の達成率。しかも被害は最低限度。名前の由来は適当につけた競走馬から。その評価が、なんともくすぐったい。


 チェスは社会的に公認されているが、ラボの存在を知る人は少ない。むしろ企業と教会、行政の一部だけといっていい。失敗作――不死人の駆除は、最重要課題でもある。キリアにとっては下水道掃除に他ならない任務だが。

 だが、今回だけは違う。


(間に合ってくれ)


 キリアは急ぐ。教会の実験――法術とチャイルドの融合。この多量の不死人達が、その経過を物語っている。脳みその腐った連中の考えそうな事だ。


「斬」


 真空の空気をこね回し、錆びた鉄扉を切り裂く。二人は、そのままなだれ込み、二人は硬直し立ちつくした。その倍の不死人が、キリア達を囲む。


「核は……」


 キリアは呻く。


「核を撃たないと意味が無い」


「本体のことだね」


 と猫目も頷く。彼らはいわゆる細胞のきれはしでしかない。細胞から細胞が増える単細胞生物。その親元は必ず居る。その親元が停止すれば、自己生産も停止する。ただし、だ。今回の場合は完全に息の根を止めることは条件には当てはまらない。


「グレゴリー神父っ!」


 キリアは叫ぶ。だが、あるのは不死人達の蠢き。蠢動。生産し続ける皮膚のべちゃべちゃとした音。猫目はその一つ一つを打ち抜いていく。眼球が、肉片が、筋肉が、指が、顔が、足が、あっさりと砕けては霧散していく。どれもがダミーの不死人でふあると分かっているからだ。


 弾を装填する。薬莢を投げ捨てる。指で弾く。銀弾が、一人の眼窩を狙う。相手は慌てて、銀弾を指でつまんだ。


「グレゴリー神父!」


 キリアの必死の叫びも、彼には届かない。ただ、小さく微笑を浮かべていた。全てを覚悟し、受け入れている目がそこにある。


「キリア神父、感謝する」

「グレゴリー神父っ!」


「同化は終わった。チャイルドの力は私とともにある。法術の力も減退していない。最強の兵器に私はなったと実感もある」

「同化は、禁則行為だ」


 キリアは説得を続ける。まだ同化は終わっていない。祭壇に横たわる紫の髪をした少女。チャイルド番号002150036。コード「錆」その体がまだぴくぴくと痙攣している。同化は彼女の末端遺伝子まで吸収しないと完全では無い。だが、その体も光の粒子がちらついている。チャイルドの死期が近づいている証拠だ。


(時間が無い――)


「キリア神父、タブーを犯しているのは教会の方だろ?」


 自嘲気味な笑み。


「しかし――」

「しかも、同化を許可したのは教会の方だ。司祭長は快く許可してくれた。そして君を使って今度は抹殺を図る。素晴らしい筋書きだ。データは手に入れた、という事だな」

「なぜ、同化を?」


 グレゴリー神父は平和主義にして博愛主義。そしてチェス一辺倒になりつつある教会の中で神への信仰を説く神学肌でもある。異端児と言ってもいい。彼はチャイルドを溺愛しており、亡き愛娘と同じ「リル」という名をつけて、公然とそう呼んだ。ただし、その戦闘力はすばらしく、機動性に富み、刀剣技術に秀で、暗殺にかけては教会ナンバー1との声もあったほどだ。


「チェスですか?」


 キリアの問いに、グリゴリー神父はにこやかに頷いた。全てはそこに通じる。教会はリルをチェスの戦闘員に決めた。勿論、グレゴリー神父は拒絶する。だが、教会には逆らえない。だから同化し、朽ちる事を選択した。


 同化は不完全な技術だ。異端の排他とデータ、両方を得る事ができる。


 この会話の間にも、グレゴリー神父の皮膚から雫がしたたり落ち、それが泡をたてて、肉片を産んでいる。同化失敗の典型的な傾向だ。


「キリア神父」


 苦悶がその表情に浮かんでいる。拒絶反応が彼の細胞内で、明確に苛ませているらしい。だが、それでも微笑を絶やさない。深い皺をさらに刻む皺が、激痛を物語っているが。


「貴公なら、私の立場になったらどうする?」


 進退どちらも許されない選択。リルを二回も失う事はグレゴリー神父には耐えられなかった。一緒になって朽ちるならそれも良し。生きてチェスに出るならそれも良し。最早、信仰では何も生めない。それがグレゴリー神父の決断だったに違いない。不憫だ。


「そうですね、僕なら教会を潰します」


 笑顔でそう言ってのける。すっと、指でグレゴリー神父の後ろを指した。

 猫目が発砲する。肉片では無く紅い血が流れた。


 観察係の存在はとうの昔に見抜いていた。ただ、あえて始末はさせなかった。キリアの宣戦布告を向こうに通知させる為に、だ。猫目は本当にキリアの意志を汲み取ってくれる。


「潰すか……容易にできることでは無い。国を潰すより難しい」

「僕達を潰すことの方が容易じゃないですよ」


 にっこりと言ってのける。グレゴリー神父は唖然として、キリアと猫目を見つめる。


「グレゴリー神父」

「ん?」

「私、リルが大好きでした。グレゴリー神父も」


 にっとイタズラをする子どもの予告のような表情。と言うよりも、猫目には悲しい、という表情を作ることはできない。一瞬、リルの目が開く。虚ろ、ただ猫目の事を探すように手を伸ばした。光の粒子、まるで霧のように。オーロラのように輝き続けている。


「ネコメ……」


 猫目は銃を構える。リボルバーの弾倉をくるくると回転させた。躊躇っている。それが見える。キリアはその銃を下ろさせた。


「神父?」

「葬儀は僕の仕事だよ、猫目君」


 と指で宙に字を描く。十字の錫杖が淡く光を灯す。


「蒼」


 光が錫杖から膨れあがる。その光にリルはのみこまれ、グレゴリー神父も抱きしめるように、光の渦は押し寄せていく。光の葬送曲。グレゴリー神父もリルも、死期は近い。せめてのもの苦痛を和らげ、昇天を促す法術だ。禁法だが、時としてせめてもの苦痛を和らげてあげたい、とも思う。苦痛だけの世界だ。神のかわりに手を差し伸べても良いだろう。


「キリア神父、ありがとう」


 グレゴリー神父とリルの亡骸は光の粒子となって消えた。だが、まだ終わってない。


「猫目君、殲滅させていい」


 猫目はこくりと頷いた。弾倉を装填し、ステップを踏む。崩れ行く肉人形不死人達の合間をぬって、教会の伏兵をしとめていく。全部気付いていた。教会の暗殺隊「陰」だ。気配を殺し、好機を窺う事を何より得意とする。観察係は囮なのにも、気付いていた。

 これはキリアと猫目の宣戦布告だ。


「キリア神父、これは背信だ――」


 一人の呻き。それも銀弾で猫目は打ち抜く。「陰」が動くより早く、猫目は動く。隠密行動が主な「陰」だが、猫目の持つ神眼の前では意味が無いに等しい。


「一つ、言い忘れた」


 とキリアは冷笑を浮かべた。


「今まで、猫目君について報告したデータは全て嘘だ。リミッターは廃止しているし、彼女の感情を停止させることは、教会側からはできない」

「な?」


 陰達は動きを止めた。そこを容赦なく猫目は打ち抜く。流血、鮮血。血で洗う。洗礼。ここには、それこそが相応しい。


「司祭長、彼女の特化した能力は神眼です。見たいですか?」

「やめろ……」


 フードが外れた白髪の老人が、怯えた目をする。


「データを報告しましょう。貴方の躰で。グレゴリー神父に施した仕打ちよりも、苦痛は少ないです。たいした事はありませんよ」

「キリア神父?」


 きょとんとして、猫目は聞く。


「いいよ。許可する」


 にっこりと頷く。猫目の目が黄金色に輝く。

 その双眸に陰のメンバーは飲み込まれていく。


 一人は苦悶、一人は苦痛、一人は悶絶、一人は感情欠落、司祭長は激震。誰もがまともではいられず、見えない何かに怯え、必死に抵抗している。手が宙を掻く。目が宙を泳ぐ。司祭長の絶叫が断末魔のように、この場に響いた。


「なんの夢を見せてあげたんだい?」

「不死人さんに囲まれてるよ、きっと」


 にっと笑う。その髪を優しく撫でてあげる。


「次は教会を潰しに行くよ」

「ラジャー」


 と弾倉に銀弾を装填する。ふと、キリアの顔を見上げた。


「神父?」

「なんだい?」


「神父はあんなに強い法術が使えるのに、どうして私と組むの? 私じゃなくても、もっと早く教会を潰せたんじゃないの?」


「君が似ていたからです」

「え?」

「なんでもない」


 とキリア神父は微笑で全てを隠した。猫目は猫目、彼女は彼女。それについて語る必要は無い。同一視はしていない。グレゴリー神父と同じ道を辿るつもりも無い。ただ猫目が愛しい。神に見放されたとしたら、唯一の信仰は猫目と言っていい。


 力を誇示するつもりも無い。平穏と安息が欲しい。世界にはまだまだ、それを語ることも許されない。二人とも猫、束縛は嫌う。それでいいと思う。


 陽の当たる場所で眠りたい。

 いい加減、飼われるのも疲れた。


「行くよ、猫目君」


 にっこりと笑う。猫目もにっと笑う。キリアは何も感じないが、猫目の神眼は何かを察知したうだ。


「前方より伏兵。左より法術士、五人。すでに読誦は完了しているけど」

「発動する前に、君が決めろ」

「了解」


 にっと笑う。俊敏に地面を蹴る。その間にキリアは読誦を行う。

 銃声。絶叫。そのコーラスを聴きながら、キリアは容赦なく法術を放つ。

 神の名の下の神字。法の置換、羅列。法則、方式、全てを置き換えて。


「焔」


 炎が生まれ、キリアの錫杖にあわせて、炎が螺旋を描く。矢となり、猛襲し陰達を焼き払う。その瞬間温度、一万℃を超え、肉片すら残さない。


 炎から逃れた何人かを、猫目は跳躍し、冷静に打ち抜く。炎はより強く燃え上がる。


 下水路にまで、火は飛び火する。水すら火は燃やす。

 全て、全て。この場所にある全てを溶かして、融かしていく。


 不毛なゲームを終わらせる宣戦布告の合図――。








■■■






 この日、忽然と教会とその擁する全システムは崩壊した。





【Fin.】

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【カクヨムコン10】Mr.obramaestra 尾岡れき@猫部 @okazakireo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画