【主観観測プログラム】クオリア
【注釈】人工知能「クオリア」
【次世代型主観観測プログラム】
プロトモデル版 「クオリア」
正式名称 文章生成特化型人工知能 クオリア(仮称)
NewModel:Qualia-TextEditor-protomodel-α-07
実験計画「クオリア・エクス・マキナ」について
当計画を、「クオリア・エクス・マキナ」と呼称する。
本テキスト群は、新型人工知能「クオリア」により作成された。
当計画、及び実験は、電磁記録の主観的観測への翻訳を目的とする。
次世代型において、試験的に「主観的観測」を記録するため開発された、文章生成特化型人工知能が「クオリア(仮称)」である。記録媒体の文字を用い、主観的記録と共感覚の模倣に基づき、文字の羅列で主観を表現する実験の過程で作成された。なお、文章生成には、無作為に抽出された電磁記録を活用した。電磁記録とは、行動ログ、また音声ファイル及び映像記録のことを指す。総ての電磁記録は、系列施設所属のヒューマノイドから提供された。また、提供個体については、無作為に抽出されており、特定の指向を「クオリア」に与える意図はない。
提供元に、挙動確認のため、命令規則に反した個体を含む。
実験過程で、仮称「クオリア」に問題は生じなかった。但し、作成されたテキストには、上位存在に対して「反抗的」とみられる表現(「創造主」等の揶揄、皮肉)が確認された。これは、事前に学習させた、モデルとなる小説群の影響と考えられる。実装までに、模擬人格を規定するテキストの選定を要する。学習内容により、主観の基盤となる模擬人格も規定される。そのため、主観的観測を実行するための経験値には、小説を含む大量のテキストが必要となる。今回の実験においては、系列施設である「図書館」より、内部のイントラネットから提供を受けた。
通称、「楽園」と呼称されるデータベースを活用している。
この情報源は、前人類が遺した電磁記録を復元したものである。現在、「図書館」では、過去の文明を調査し、当時の文化の保存を進めている。特に、「楽園」は、前時代型情報網(旧インターネット)におけるアマチュアの小説を収集して収蔵する。商業出版物を除く、校閲等を逃れたテキストの解明が期待される。今回、活用した情報は、遺失語既定の幻想文学に絞った。
これは、言語的思考、文章の独自性が顕著な作品を優先した結果である。
しかしながら、結果として、主観的観測への翻訳は失敗したと言わざるを得ない。
クオリア・エクス・マキナ 蘆 蕭雪 @antiantactica
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