俺、異世界転生しても古美術鑑定しかやりたくないんですが〜魔法は使えませんが、審美眼だけは誰にも負けません〜

俺、平賀勇利は異世界転生者だ。しかも、親ガチャ大成功確約の現代転生を蹴ってまで、自分から望んで異世界に転生した。
理由はただ一つ。
俺は美術品鑑定士だから。
古今東西、ありとあらゆるものを鑑定してきた俺にとって、もう一度この世界に生れ落ちるよりも、異世界の新たな芸術を、文化を、蒐集品を、ぜひともこの目で見てみたい。そして、ありとあらゆるものを鑑定したい。
その欲求が、膨れ上がった結果がああだったというのに、俺は性懲りもなくそんなことを思ってしまった。
そこに現れたのが、親から受け継いだ骨董品屋の店主にして、親が買い取ったもの、貰い受けたものをを欠けることなく百パーセントすべて持ち主に返したい少女、ウィルだったーー。