その超常現象は安全? それとも危険? 果たして結果はどっちに転ぶ?

 幽霊、ないし謎の超常現象が出てくる話というと、『怖い話』か『優しい話』かに多くは大別されます。

 幽霊が人を祟るなど、不条理な結末に導くもの。または、幽霊が人を助けてくれるとか一緒に暮らすとか、ほっこりとした結末になるもの。
 
 本作で発生する『謎の現象』も、具体的に『どっち』に属するものなのか、読み終えるまではわからないのが特徴です。

 
 ある人物が、アパートに引っ越しました。そこでは謎の声が聞こえ、自分が「ただいま」と言うと「おかえり」という声が返ってくる。
 明らかに幽霊か何か、超常的な現象が起こっていることがわかります。

 しかし、本人はその現象に怯えることなく、「おかえり」という声が返ってくるのは悪い感じがしない、と境遇を受け入れます。
 果たして、この先にどんな結末が待っているのか。

 いいことが起こっているようにも見えるし、やっぱり危険なのでは、というソワソワした気分にもさせられる。
 全四話。その最後の話に入り、ついに『彼』の体験していたことの答えがわかります。

 結果は、『大満足だった』ということだけ、ここに明記しておきます。
 
 どっちに転ぶ話なのかは、読んでのお楽しみ。
 ですが、読み終えた後の感想が『良かった』に転がるのだけは言明できます。この作品を手に取り、どうぞご確認ください。

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