何とも言えない皮肉。物語を読み終えた後、「その後」をありありと想像し、やるせない気持ちになる作品でした。
来世で結ばれることを願い、「心中」という選択をした二人。二人は死後も一緒にいられるようにと、お互いの手首を紐で結び合っていた。
そして、二人は生まれ変わる。
その先で二人が辿った運命は、まさに「皮肉」としか言いようもないものだった。なぜ、そのような形になってしまったのか。
世の中に存在するという「法則」についてある老婆が語ることで、何とも言えない陰鬱な気持ちにさせられます。
なぜ、あえてそんな法則を作った? 神がいるなら、なぜそうまで邪魔をする?
不条理な法則をありありと見せつけられ、今後二人がどのような末路を辿って行くか、考えずにはいられなくなりました。