切なくて優しい物語
- ★★★ Excellent!!!
イソップの寓話ほどシニカルでなく、ギリシャ神話ほど悲劇的でなく、グリム童話ほど生々しくなく、アンデルセンほど善良でない。そんな不思議なバランス感覚のあるお話です。
蜥蜴の苦しみから魂の再生への描き方にもですが、蛙の蜥蜴に対する執着心や支配欲になぜか惹きつけられてしまいました。彼も蜥蜴を屈服させたかったのではなく、本当は理解し合いたかったのに方法を間違えてしまっただけなのではないかと言う気がしてなりません。人間社会でも往々にしてこのようなことは起こってしまうからなのかもしれませんね。
「グルステイン物語」はまだ読ませて頂いていませんが、また違った楽しみ方があるそうですので、折を見てお邪魔させて頂こうと思っています。