第13話

「……なんてことがあったのよ」

 数十年後、リズはこどもたちにこの出来事を語り聞かせていた。

「それってほんとー?」

「それじゃみんなで遊べないじゃん、嘘つきー」

「ほんと、ほんと。もう夜遅いんだから、2人とももう寝なさい」

「はーい」

「はいはーい」

 こどもたちはそれぞれ、自らの寝床へ向かっていく。残されたリズはルナに思いを馳せる。

 今日は満月の夜。森の奥から、微かに響く精霊たちの歌声を聴いて、リズは人知れず微笑んだ。

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月光の森と導かれたもの 及川稜夏 @ryk-kkym

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