祝福を持つ者はクズでも安全に、持たざる者は姫でも捨て駒に

 「祝福」を持つ者が特権階級となり、持たざる者は蔑まれて場末の学校に集められた世界。
 人の命は平等だ。
 この世界ではそんなことは戯言に過ぎない。「祝福」を持つ者だけが生き残る価値があり、持ちざる者は生きる価値なし。
 それゆえ戦争の形勢が悪化すると、「祝福」持ちの特権階級は戦場には出てこず、持たざる者たちが学徒動員により戦地で使い捨ての駒とされるのだ。
 姫カリナは「祝福」を持たず、ケビンに煽られるように「祝福」を持たない市井の学校へと転校した。そこで学徒動員を命じられる。せっかく友達としてアリスという少女と通じ合えたというのに。

 果たして、カリナは戦場で生き残り、王家に帰って理想を実現することができるのだろうか。
 確かに困難な道程ではあっても、どん底を知ったからこそ、願いを貫き通すだけの意志がある。
 これから始まる新たな展開は、きっと皆様の心にある指針をもたらすことでしょう。
 ハードボイルドな世界観で繰り広げられる、どん底から逆転劇。
 今まさに序盤のターニング・ポイントです。

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