ヒトデナシ達の庭

ハッピーエンド

　翌日、田間宮、古村、タカギの三人が祠の近くに倒れ込み死んでいるところを発見された。

　祠は完全に倒壊し、瓦礫の付近には目を見開いたまま、悍ましい顔で死んでいる田間宮、古村の姿があった。

　タカギは祠のあったちょうど上あたり、腹にナイフが突き刺さったまま仰向けになり死んでいた。

　警察は調査を進めた結果、議員秘書の天野の殺害、及び古村のインサイダー疑惑の重要参考人として被疑者死亡のまま、彼らの書類送検を行うこととなった。

　事件は一応の解決を見せ、悪名高き三人の名はニュースとなり世間を騒がせることとなった。

　しかし、消費の早い世間の流れに、この事件はいつの間にか忘れ去られていった。

　しかし、それからと言うもの。

　この祠の近くを訪れた人間が奇妙な体験をしたという話が後を立たなくなった。

　深夜遅い時間、この付近を訪れると、複数人の男がいがみ合い、罵り合う声が聞こえると言う。

　訪れたものに危害はなく、ただ争う声だけが聞こえるというのだ。

　こうした噂を検証するため、ある霊能者の先生の下に相談が寄せられた。その霊能者がこの地を霊視したところによると。

　この地でいがみ合う三人の男の霊がお互いを攻撃しあっているとのことだった。

　非常に強い悪念を放っていることから除霊すらままならず、しかし、生者に危害は加えないということからそのままにしても大丈夫、とのことだった。

　彼等は、永遠にこの地でお互いを殺し合っているそうだ。

＊＊＊

　「シュウちゃん、早く死んでくれよぉ。なんで首絞めてるのに生きてるんだよぉ」

　「ケンちゃんこそ、さっさと地獄に行ったらどうなんだよ。何回も刺したのにさぁ。」

　「おいタマちゃん！テメェが裏切るからこうなったんだろバカが！ああ腹痛えんだよなぁ」

　「黙れこの野郎、殺してやる！」

　「うるせぇクソ野郎！」

　「テメェこのボケが！さっさと死にやがれ！」