選んだ道を正解にするために
- ★★★ Excellent!!!
そこは誰もが憧れる天空のリゾート地。
想像するだけでもうっとりとするような、夢の膨らむ場所。
でも、もしそこから地上へ帰れなくなったら?
その理由が、突如現れた怪物のせいだったら?
あなたは天空に留まり続ける方を選びますか? それとも……。
舞台は近未来。世界各地に天空都市が存在する「地球」。
日本所有の天空都市【彩雲】は、“天空鬼(スカイデーモン)”なる異形の出現と襲撃により、地上との往来が不可能になってしまいます。
人々が【彩雲】に取り残されてから10年。そんな状況にひとつの、いえ、ふたつの希望の光が、人知れず灯ります。
それが本作の主人公バディ、タイクウとヒダカです。
彼らは【彩雲】から地上への運び屋「藍銅鉱(アズライト)」のコンビ。運ぶ対象は物資だけでなく、人間も含まれます。地上へ戻りたいと願い、彼らのもとを訪れた依頼人を、下まで送り届けるのです。
その手段はスカイダイビング。もちろん行く手を天空鬼が阻みます。
タイクウが依頼人とタンデムし、ヒダカが主体となって天空鬼と戦う。
落下しながら、尚且つ依頼人を守りながら、敵を蹴散らしていく場面の爽快なことは、他では見られないアクションシーンであり、必見です。
本作品の肝となるのは、タイトルにもあるように“選択(チョイス)”です。
「藍銅鉱」を訪ねる依頼人たちは、様々な理由で地上に戻ることを“選択”します。
しかし、一度地上へ降りれば、二度と天空都市へは戻れません。地上でどんな現実が待っていたとしても、取り返しがつかない。まさに人生を賭けた選択です。
“選択”はタイクウとヒダカにも、常に迫ってきます。日常的な選択から、大きな決断を伴うことまで。
“選ぶ”というは怖いことです。選んだ道次第で、運命が大きく左右されます。ゲームと違い、リセットもリトライもできません。それが自分一人のことではなく、誰かの運命にも影響を及ぼすとなれば、簡単に答えを出せるものではありません。
だからこそタイクウとヒダカは、懸命に選び、戦い、守り、迷いながら、最善を尽くそうと前に進み続けます。
選んだ道が正解かどうか誰にもわからないから、選んだ道を正解にするべく、悩み、あがき、駆け抜けていく。
タイクウとヒダカが何を望み、何を選び取るのか。彼らの圧巻の空中戦とともに、ぜひその目で見届けてください。