物凄い傑作である
- ★★★ Excellent!!!
傑作である。
物凄い傑作である。
かすみは交通事故で体にいくつもの傷を負った。高校生になり、同級生からトイレで暴行されていたところを洋に助けられる。洋はかすみを「気高い、綺麗な女」と呼び、彼女の傷だらけの裸体をスケッチする。
暴行の描写は直接的ではないが、それに使われた物を描写することでそのおぞましさ凄絶さを読者に伝える。読んでいて私の心臓はまるで同じだ体験をしたかのように震動した。
傷は体にも心にもつく。人は傷を愛せる他者に出会えた時、自分自身の傷をも受容できる希望を持てるのかもしれない。