4日目
第10話
R「ふぁぁぁあ。」
大きく口を開けて欠伸をしながら目を覚ました私は、冷たい空気が肌に触れて一瞬だけ身震いする。私は、その場から立ち上がると、毛布を綺麗に畳んで外の空気を吸うために拠点の外に出てから、背伸びをして辺りを見回す。
R「今日も外は、寒いわね。」
R「それに、昨日雨が降ったせいなのかしら?」
R「凄い霧ね......。」
拠点の周囲は、いつもよりも濃い霧が立ち込めており、少し先の方も全く見えなくなっている。
R「っさ、今日も顔を洗いに行きましょうか......。」
R「あ......今日は、この鍋も持っていかなきゃね。」
昨日見つけた小さな鍋を持ち上げて、その中に顔を拭く用のタオルと、空になったペットボトルを入れて持っていく。それから、小さな鍋は昨日、焚き火の近くに置いて使っていたせいで、煤が付いてしまっていたので、手で軽く払い綺麗にしようとすると、手が真っ黒に汚れてしまった。
R「あらら.....真っ黒ね。」
(まぁ、公園で手を綺麗に洗えばいいでしょ.......。)
なんて事を思いながら、私はひとまず公園の方まで歩いて行くのだった。
R「それにしても濃い霧ね.......。」
R「全然前が見えないわ。」
冷たい空気が肌に触れ、水滴となって肌を伝って地面に落ちていく。
公園まで辿り着いた私は、まず手を冷たい水で綺麗に洗った後に顔を洗い、空のペットボトルに水を入れて、持ってきた小さな鍋の中に移していく。
R「やっぱり、ペットボトル持ってきて良かったわね。」
R「鍋だけ持ってきてもこの小さな溝には全部、入らなかっただろうし.....手で入れるにしても時間がかかるし冷たいしで大変だったかも。」
よいしょ、よいしょと言いながら、ペットボトルの水を鍋の中に満杯になるまで移し終えた私は、さぁこれを拠点まで持って帰りましょと立ち上がった後に気付いてしまう。
R「あ.....こんなにこんなにいっぱい入れたんじゃ、重くて持って帰るの大変だわ。」
R「それに、持ってきたペットボトルとタオルどうしましょ......。」
(こんな、重たい鍋を持つには両手が塞がっちゃうし......。)
R「い、一旦、ペットボトルとタオルは......ここのテーブルの上に置いておいて、また取りに来ましょうか......。」
少しだけ鍋に入れた水を溝に戻した私は、水の入った重い鍋を持って立ち上がり、頑張って拠点の方まで持って帰る。途中で、鍋を持っているせいで足元が見えずに、アスファルトの凸凹している場所で躓いたりして、何度か水をこぼしそうになったり、こけそうになったりしたけれど、何とか無事小さな鍋を拠点まで運ぶことが出来た。
R「ふぅ.....重かったわ。」
R「それじゃぁ、公園に置いてきたペットボトルとタオルを取りに行きましょ。」
朝からの重労働に疲労を感じながらも、小さな鍋を火の消えた焚き火の近くに置いた後に、私は公園に置いてきた物を取りに戻る。
外に出ると先ほどよりも霧が晴れてきていて、遠くまで視界が確保できるようになっていたし、今日は昨日と違って晴れているからか、少しだけ暖かくなってきているように感じる。
私がそんな事を考えながら、公園に着くと、タオルの置いてあった場所の近くに猫のような動物が近寄って来ていた。
R「な、なにあれ......。」
R「猫......ちゃん?」
R「にしては.......尻尾の数多いわよね......。」
パキ(木の枝を踏む音)
「ギャァ!」
「ギィニャァ!」
R「あらら.....逃げちゃったわ。」
私が、遠巻きにその猫のような動物を観察していると、足元に落ちていた木の枝を気付かずに踏んでしまい音を立ててしまったせいで、びっくりした猫(?)は、野太い鳴き声で何処かへ行ってしまったのだった。
(やっぱり、不思議な生き物ばっかりね。)
と思いながらも、目的であった置いてきたタオルと川の水が入ったペットボトルを回収して、拠点に戻る。
帰る途中で、他の建物の中にも入って使える物が無さそうか一応探してみたけど、軽く見た感じだとそういう物は、見当たらなかったので何も発見できずに帰って来たのだった。
R「っさ、まずは....かまど作りから始めましょうか.......。」
R「そのためには、まず大きくて平らな石かタイルで四角く囲むように積み上げていきましょ。」
(本当はレンガとかあればいいんだけれど......そんなものなさそうだし.....。)
(床のタイルなら、そこら辺に割れている物が多いし、直ぐに剥がせるし、平だからちょうどいいわよね。)
外に出た私は、また建物の中に入って、タイルとタイルの隙間にナイフを刺しては、引っ繰り返して拠点まで持っていく。朝からこんなに重労働をするなんて思わなかったわ。と思いながら、寒く感じていた身体も運動をした事で暖かくなっていき、汗をかいてしまう。
R「ふぅ.....これくらいでいいでしょ。」
集めたタイルで、四角く並べて中に空洞が出来るように積み上げた私は、完成したかまどを見て満足する。
R「初めてにしては、なかなか出来がいいんじゃない?」
R「この上に、鍋をセットして......っと。」
ドン(鍋を上に置く音)
たぷたぷ......(水の音)
たぷたぷっと音を立てながら、小さな鍋を作ったかまど(?)の上に置いた私は、下に木の枝や段ボールの切れ端を入れてからマッチで下に火をつけて見る。
平たいタイルと途中で見つけた平たい石で綺麗に積み上げ、隙間は小さな石や砂でしっかり埋めたからか、かまどは崩れることなくしっかりと鍋を支えて、下で火をつける事に成功する。
R「よしっと!これで.....かまどの完成ね!」
完成したかまどの火に木の枝をくべながら、鍋を沸騰させて鍋の中の水を煮沸して飲み水を作っていく。
先ほど、川の水を入れたまま持って来たペットボトルは、匂いがヤバかったペットボトルを洗うのに使って綺麗にしていく。
洗う時、匂いのヤバイペットボトルの蓋を開けた瞬間、あの時の吐き気がするほどの匂いが辺りを充満して私に襲ってくる。なんとか、息を止めて頑張って水で洗い流してペットボトルの中にも水を入れて濯いで綺麗にしていく。
結局、洗う時に水が足りずに、鍋の中の水から何回か水を拝借して、綺麗に洗って外で乾かしておく。
若干まだ、匂いがキツイ気がしてくるのだけれど、一応綺麗になったのだし、これは飲み水用のペットボトルじゃなくて別の事に使おうと思う。
R「飲み水も確保できたし、かまども出来たし、本格的に探索しましょうか。」
私は、かまどの火をしっかり消した後に、水分補給をしっかり行い、今日は遠くまで行ってみようと思う。
私は、ペットボトルとナイフを持って出発する準備をするのだった。
<NEW制作物>
焚き火場 (石で囲んだだけ。)
拠点の扉 (陳列棚を組み立てて置いただけ.....ただ、それだけでも拠点に熱が少し籠るようになった。)
かまど (タイルと石で積み上げた簡易的なかまど(?)) New
<持ち物>
巨大なリュックサック
in[ノート1冊、筆記用具(シャーペンと消しゴムのみ)、水の入ったペットボトル1本、栄ヨーバー2本、マッチ1箱。]
空の缶詰:1缶
栄ヨーバーの袋(ゴミ)
サバイバルナイフ
汚れたバターナイフ2本
汚れたフォーク2本
汚れたスプーン3本
マッチの箱1箱:44/50 (使用中)
バスタオル1枚 (使用中)
タオル2枚 (使用中)
懐中電灯:0/500
スポンジ:2個 (未開封)
スポンジ:1個
1缶:賞味期限:2028/08/11 カンパン100g (未開封)
1缶:賞味期限:2023/01/01 フルーツミックス! (未開封)
1缶:賞味期限:2028/09/12 サバっと缶 水煮 (未開封)
1缶:賞味期限:2025/12/01 ウマっとコーン (未開封)
1缶:賞味期限:2027/08/20 カンパン50g (未開封)
1瓶:大きな瓶に入ったお酒?1000/1000 (未開封)
※ラベルが剥がれているためお酒っぽいという事しか分からない。
水の入ったペットボトル1本:100/100
空のペットボトル2本:0/100
キッチンを美しく!:???/80
綺麗な凹んだ小さな鍋:0/193
※ペットボトルを洗うのと、ペットボトルに新しく水を追加するのと、火を消すのに使った。
錆びたバケツ
in[錆びたハサミ2個、錆びた針12本]
大量の木の枝
段ボールの束
現在時刻:朝(?)
外の天気:晴れ。
気温:少しだけ暖かい(?)
健康状態:健康。
本作の主人公:R =
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます