第4話
R「はぁ.....はぁ.......、私ってやっぱり体力ないわね。」
建物から急いで出てきた私は息切れをし、自分の呼吸を整えるため深呼吸する。冷たい空気が口と鼻から入り喉を刺激する。
自分の体力の無さを感じて、溜め息を付いた私は、今日廃墟で手に入れた物を持って拠点に戻る事にした。
R「えっと.....缶詰と懐中電灯、それからペットボトルと空の洗剤ね。」
R「案外こんなボロボロの廃墟でも物が残っているのね。」
ここまでボロボロで、廃材や木々が散乱し破壊しつくされた廃墟の都市に、使えそうな物がこんなにもある事に少し驚いた。相変わらず缶詰の日付がおかしいのは、少しだけ気になるんだけど、いくら考えても分からないのだし、開けて見ない事には食べられるかすらも分からない。
R「そうだわ。錆びていたとはいえ、さっきの建物にハサミや針もあったんだから持ってくるんだったかも......。」
今更ながら、そんな事を思い出してもう一度戻ろうかと考えるが、まだ2店舗しか探索しきれていないので、まずは他の廃墟にも行ってから帰りに持ち帰る事にする。
昨日は疲れたからと長い間、拠点で寝転がって休憩していたせいで、あまり探索できなかったのを思い出し、私はすぐに立ち上がって水分補給だけし、また探索に出かける。少しだけお腹も空いてきたのだが、食糧にも限りがあるし、帰った時の楽しみに取っておくことにした。
R「次は、ここを探索してみましょうか.....。」
向かいの店舗ではなく、公園の出入り口付近まで戻り、その近くの廃墟を探索してみる事にする。
R「え~っと......Caf....カフェ?」
小さいマグカップとお皿に湯気のマークがついていて、横に英語でなんちゃらCafeと書いてある。ただ、eと言う文字はコケで隠れているし、文字が木の根っこや葉っぱと重なっており、正確に読むことは出来なかったけど、たぶんカフェで合っているのだろう。店内の雰囲気も.......ボロボロで窓が割れているし、椅子や机が壊れて散乱してるけど、カウンターもあってカフェ感が少しだけ残っている。
パリ....パリ(ガラスの破片を踏む音)
R「危ないわね.......。」
お店の中に入って見ると、床にはガラスの破片が散らばっており、床のタイルが剥がれ所々割れている。何故か分からないけれど、室内に小さな窪みが1つだけ出来ており、そこに綺麗な水が溜まっていた。
R「天井には....穴が開いてないし.....どうして水が溜まってるの?」
辺りを見回して見るけれど、どうしてこんなところに水が溜まっているのかは、結局分からなかった。そこの窪みを避けて少し奥に進むと、カウンターの方に入る事が出来、カウンターの下には小さな収納スペースがあったので中を開けて確認して見てみる。
R「あらら......全部ダメそうね。」
収納スペースの中のコップやお皿は全て割れており、使えそうな食器は1つもなかった。ただ、スポーンやフォークそれからバターナイフは、金属製であるため、使えそうな物が多く、埃を被っていただけで劣化の形跡も見られないため、少しだけポケットに仕舞って持ち帰る事にした。カウンターの後ろにある壁の方に取り付けられた収納棚の中も開けて確認してみてみるが、そこの中身もコップやお皿で全て割れており、使えそうな食器は1つもなかった。ただ、一番端の収納棚の下の小さな収納スペースには、バケツが入ってあったので取り出してみる。
R「使えるかしら?」
バケツを手に取った瞬間、錆びが手に付きパラパラと錆が剥がれ落ちる。錆びた匂いがしてくるバケツの取っ手は手に取った瞬間外れてしまい、バケツを持つにはどうしても両手が塞がってしまうが、幸い底に穴が開いていないため、綺麗に洗えば水を綺麗な状態で運ぶ事が出来るだろう。ただ、何か物を洗えそうな場所はまだ見つかっていないわけなのだが......。
先ほどの窪みの水は、綺麗に見えるけど、どうしてあんな所に水が溜まっているのか分からないし、飲み水にしたいとも思えない。それに、洗うために使うにしても洗えるほどの量の水は入っていないので、結局別の場所を探すしかないのだ。
R「扉は.....開かないわね。」
バケツを床に置いた私は、職員が休憩するであろうスペースへ続く扉を開けようとしてみるが、やはり扉が歪んでいて開けることは出来なかった。仕方なくこの荷物を一度拠点に置いて来ることに決めた私は、手に入れたバケツを両手に持って、移動する。
R「あ!そうだったわ.....ハサミと針を持ってくるんだったわ。」
ちょうど
パリ....パリ(ガラスを踏む音)
R「っう.....なんか臭い気がする。」
2階からなんか悪臭がする気がした私は、急いで奥の部屋に行き、錆びたハサミと針を手に取って、入口まで戻って来る。私は、バケツに持ってきたハサミと針を入れて向かい側の拠点へ戻ってきた。
R「ふぅ.....今日は疲れたわね。」
拠点に戻って来た私は、コンクリートの上に持ってきた物を置いて座り込む。
お腹の空いた私は、栄ヨーバーを手に取り、残りの半分を食べ水を飲み干してしまった。
R「水.....どうしましょ。」
ただでさえ、節約していて喉が渇くのに、すでに1本飲み干してしまった。
先ほど持ってきたあんな大きな錆びているバケツで水を沸騰させるわけにもいかないし、かといって煮沸せずに飲むのも気が引ける。
R「やっぱり.....もう少しだけ探索が必要かも.......。」
R「さっきも、バケツが見つかったくらいなんだから、小さな鍋か何かくらい見つかるでしょ?」
そう自分に言い聞かせて立ち上がった私は、外に出てもう一度探索しに回る事にする。
<持ち物>
巨大なリュックサック
in[ノート1冊、筆記用具(シャーペンと消しゴムのみ)、水の入ったペットボトル2本、栄ヨーバー2本、マッチ1箱]
栄ヨーバーの袋。
サバイバルナイフ
汚れたバターナイフ2本 New
汚れたフォーク2本 New
汚れたスプーン3本 New
マッチの箱1箱:49/50 (使用中)
バスタオル1枚 (使用中)
タオル1枚 (乾かし中)
タオル1枚 (未開封)
懐中電灯:0/500
1個:賞味期限:2014/06/23 カンパン100g (未開封)
1個:賞味期限:2028/09/12 サバっと缶 水煮 (未開封)
1個:賞味期限:2025/12/01 ウマっとコーン (未開封)
1個:賞味期限:2027/08/20 カンパン50g (未開封)
空のペットボトル1本:0/100
匂いのヤバイペットボトル1本:0/100
キッチンを美しく!:???/80
錆びたバケツ New
in[錆びたハサミ2個、錆びた針12本] New
現在時刻:昼(?)
外の天気:曇り。
気温:温かい(?)
健康状態:健康、ちょっと疲れてる。
本作の主人公:R =
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